第七章 C.D.の計略
暴れる侍
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演説をやめない。
それどころか、さらに声を荒げて、腰に下げていたそれを取り出してそちらへと振ると――――
「危ない!!」
「うお!?」
ガッ、バシャァッ!!と、防ぎ、水がはじける音がした。
受けたのは、音撃棒二本を握る京介。
驚いたのは、その隣にいるオボロだ。
街で騒ぐ男がいると通報を受け、兵数人を連れてきたがまさかその男が――――
「あいつ、絶鬼か!?」
「なに?あいつが!?」
火の見櫓の上から攻撃し、しかしそれ以上の興味も見せず、男――――ゼッキは、変身音叉を取り出して柱に当てて打ち鳴らす。
「ならば、音をもって浄化する我らのすべきことは―――――この世の悪たる存在を、砕滅すること他に無し!!」
キィン・・・・と、静かな音叉の音がなり、ゼッキがそれを額に当てる。
すると、バシャバシャと水しぶきが男の全身を包み始め、そして身にまとうそれをはらい落とすかのように腕を振るうと、そこにいたのは案の定
「お、鬼だ・・・・」
「鬼が出たぞーーー!!!!」
火の見櫓に立つ男が絶鬼へと変身を遂げ、首をひねって歌舞伎のように大見得を切る。
京介へと放った水弾の時点で何かまずいと感じ始めていた町民は、その変身を見てついに足が動き出した。
わぁっ!!と悲鳴や大声を上げて、櫓から離れていく町民。
店はパタンパタンと閉じられていき、中には商品が店頭に出たまま正面を閉じてしまう店もあった。
「絶鬼!!」
「あっ、こらお前いつの間に変身して・・・・くっ!お前らは急いでこのことを兄者に伝えろ!!」
強鬼へと変身した京介と、部下に指示を出してから二刀を構えて走り出すオボロ。
絶鬼はその二人を見ようともせず、さっそく手頃な家々を吹き飛ばそうと構えた。
だが、それが放たれる一瞬前に櫓の足が砕かれ、絶鬼の水弾は屋根の一部を掠めて消し飛ばしたけに終わってしまった。
「やめろ絶鬼!!お前は人間をどうするつもりだ!!!」
着地した絶鬼に、構える京介が聞く。
が、その質問よりもまず絶鬼は彼が回復していることに驚いていた。
「一昨日の夜に見た鬼ではないか。すでに動けるとは、某が鈍ったか貴殿が優れているのか・・・・」
「答えろ!!貴様、我らの民に何をする気だ!!!」
勝手に感心する絶鬼に、今度はオボロが青筋を立てて叫び訊いた。
ここトゥスクルをはじめとした、いわば「うたわれるもの」世界からなる地域の人々は、助け合って生きているためか仲間意識が非常に強い。
そもそも、ハクオロが皇になったきっかけの戦いも、圧制者による長老の殺害が始まりだったのだ。
それをいきなり攻撃され、さらにその言葉の中に不
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