第七章 C.D.の計略
暴れる侍
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トをしてから、ヒビキが聞く。
単刀直入。
何かわかったのか、と。
『大変だったよ。何せ200年近く前の資料引っ張り出したんだから』
「200年?どういうことだい?」
『吉野まで行って調べることになったんだ。順を追っていこう』
吉野、というのは、猛士の総本山のある地だ。
まさかそこまで行って調べてやっと出てきたとは。
そして、勢地郎の語る絶鬼という鬼は、確かに200年前に実在した鬼の名前だそうだ。
ゼッキ
鬼のコードネームは「絶鬼」
本名・絶之清
元侍の鬼であり、当時の鬼に助けられて鬼になった者だ。
資料によると、かなり過激な正義感を持った男だったらしい。
かなり極端な「勧善懲悪」を地で行く男で、相手が悪である以上それが誰であろうと斬るような厳格さで、なんと盗みを働いた息子の腕を切り落としたこともあるそうだ。
魔化魍に襲われているところを偶然通りかかった当時の鬼の誰かに助けられ、その存在を知って鬼になったらしい。
「魔化魍の根源は人の放つ悪気のせい」と結論付け、あれこそが醜悪なる人の性だ、根絶するには大本から断たねばなどと言い始める始末だったらしい。
だが、当時の公家当主イブキに諭され、接していくことで次第に軟化していったとされている。
元々侍だっということでその戦闘能力は高く、当代の鬼の中では最強と謳われていたようだ。
肉体の鍛え方も凄まじく、さらに強い力を纏い姿を変える唯一の鬼だったらしい。
「あ、それ俺読んだことある」
『ああ。響鬼はその一段階上の力というのを資料で読んで、紅になることを知ったんだからな』
「じゃあその資料に書かれていたのは、絶鬼のことだったってことか」
「それで、それから彼は?」
『うん。残念ながら、ここまでだ』
え?と聞き返す二人。
ここまで来て、絶鬼の資料はぷっつりと途切れているのだそうだ。
しかも、その資料の最終ページが、そのまま背表紙になっているという。
まるでそれは、一冊の本の後半を丸々切り取って、前半だけを資料として残したかのような形だったそうだ。
『おそらく、何かをやらかしたのだろうね。それで、記録からも抹消された』
「だが、それではおかしいではないか。その絶鬼という男は、御年200余りということになるぞ」
「聞いた声の感じは、俺より少し年上かな〜な感じだったんだけどな」
ともあれ、名前は出てきた。
絶鬼。本名・絶之清。
だが、彼がなぜ今この時代に現れたのか。
『もしかすると・・・・子孫?』
「名前を継いだとかですか?」
『ふ〜む・・・・こればかりは本人に聞くほかは』
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