第七章 C.D.の計略
暴れる侍
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だ。
「ですが、魔化魍退治だけなら我々もヒビキさんを宮殿まで呼び出すことはなかった」
「そうだよな。ってことは、あの絶鬼とかいう鬼のことかな?」
「その通り。これは我々の推測なのだが、その絶鬼という鬼が魔化魍を発生させているのではないか、と思っている」
果たして、人に魔化魍を手懐けることはできるのか。
結論から言うと、可能である。
彼らが人間なのかどうかは議論の余地はあるが、洋館の男女と呼ばれる者達が、魔化魍と、それを育てる童子たちに指示を出していたことが確認されている。
古文書には、魔化魍と手を組んだ鬼までいたそうだ。
「そうなると、自然発生する魔化魍よりもこの国の侵害として、我々も腰を上げる必要性がある」
「幸いなことに、世界が結合した結果魔化魍は音撃でしか倒せない敵ではなくなっているからな」
「だが、鬼が相手になっているとすれば話は別だ」
「なるほど。つまり青年は、俺に絶鬼を倒してくれっていうのかい?」
コクリ、と頷くハクオロ。
魔化魍は自然発生する妖魔だ。
それは自然災害として対策をとることも安納なので、そう大きな問題ではない。
だが、相手が明確な敵意をもって襲い掛かるのであればそれは別問題だ。
早急に対策を立て、敵を撃滅しなければならない。
「ところで、鬼というからには彼も猛士の一員なのだろう?」
「いや、そうじゃないみたいなんだよね」
「昨日の勢地郎さんの話だと、現在猛士に所属している鬼の中に、絶鬼なんて名前の鬼はいないみたいです」
適当に名乗っただけかもしれないという推測もあったが、ヒビキや京介の証言に一致する鬼はやはりいないのだ。
ますますその存在自体が謎じみてくる絶鬼。
一体彼は、何者なのだろうか。
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「聖上」
「む?どうしたベナウィ」
当面の話し合いが終わり、茶菓子でも摘まみながら談笑していたヒビキとハクオロ。
窓から見える訓練場では、京介も一緒になって体を鍛えていた。
そこに、ベナウィが襖をあけてやってきて頭を下げる。
「猛士関東支部事務局長の、立花勢地郎氏からの連絡が入りしました」
それを聞いて、通信所へと向かう二人。
部屋につくと、モニターに映った勢地郎の顔が二人を出迎える。
『やあ、ヒビキ。それと、トゥスクル国王殿下』
「いえいえ。そんなかしこまらないでください。私はしがないただの皇ですから」
「皇なのにただのってことはないんじゃない?」
「む、それもそうか」
出会い頭にそんなコン
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