第3章 儚想のエレジー 2024/10
21話 望まぬ再会
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の一人となった饒舌な片手剣士と目を合わせた。
「どうした? さっきまで威勢が良かっただろ?」
「わ、解ってんのか!? 軍はSAOで最大の攻略ギルドなんだぞ!!?」
「ああ、良く知ってるよ。《オっさん》にも世話になったからな。………だから残念だね」
二歩、三歩、近づくにつれて、片手剣士は後退る。
金属装備という分かりやすい外見的ステータスを俺が身に付けていない以上、この戦力差をレベルの差だと判断するにそう難くはない。彼もまた、彼我の差をようやく認識したのだろうが、もう遅い。
彼等は余りにも貶め過ぎた。かつて、《アインクラッド解放軍》を立ち上げた男がどんな思いでギルドを育てたか。どんな思いで二十五層フロアボス戦を終えたのか。どんな思いで攻略の最前線から退いたか。「知らない」と一言で片付けさせるわけにはいかない。
握られた片手剣を蹴って得物を撃ち払い、爪先が地に着く前に半円を描いて再び片手剣士の首元を捉える。やはりダメージを伴うレベルでの打撃は圏内の使用によってダメージこそ無力化されるが衝撃だけは確かに残り、袋小路の奥まで数メートルを弾かれるように吹き飛ぶ。乱雑に積み重ねた木箱や立て掛けた板のオブジェクトを散らしながら地に伏すと、そのまま咳込んでうつ伏せに倒れた。彼が起き上がる隙も与える意思はなく、首を掴んで無理矢理起こして塀に背中を打ち付ける。
「アンタ、さっき《圏外》に逝くって言ったよな」
「や、やめ……」
「安心しろよ。俺は別に苦しそうにしてるヤツを圏外に連れ出そうなんてしないさ……」
泣きそうな顔で不格好な安堵の表情をつくる片手剣士に、俺は笑いかけてやる。
もう安心していい。自分の発言通りに圏外へいく必要なんてない、と言い聞かせてやるように。
「………ここで死ね」
代わりに、片手剣士の目の前に一つのウィンドウが表示される。同時に、彼の表情の一切が氷結した。表示されているのはデュエル申請。内容は、《全損決着モード》。
なんの不思議なことはない。彼が意図していた《圏外でのHPを削り合う殺り取り》について、俺はあくまで《圏外に出なくてもいい》と言っただけ。殺さないとは一言も確約していないではないか。
「誰か助け……ッ!?………嫌だァァァァ!?」
首を掴む手を剥がそうと、片手剣士は残った左腕で抵抗するが、そもそも彼が実感したレベル差は死にたくないという意思力程度では覆せるものではない。もう片方の右腕は、俺の左手が捉えている。人差し指を握り、その指先はゆっくりとウィンドウの承認ボタンへと迫っていた。彼の助けとなるであろう後方の二名に至っては既に姿が無い。謂わば見捨てられ
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