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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第647話】
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体を丸めて見ている。

 映っていた番組は動物ものだ――。


「わわんっ(僕が映ってるわんっ)」

「にゃ……(あれは貴方と同じ犬種よ)」

「わんっ?(犬種わんっ?)」

「にゃっ(そうよ)」

「わぅん、わわんっ(成る程わんっ、つまり僕がいっぱいいるわんっ)」

「にゃ!?(そんなわけないでしょ!?)」


 微笑ましい二匹の会話――映し出されている映像は切り替わり、今度はライオンが映った。


「わんっ(大きいわんっ)」

「にゃうにゃ(あれは確かライオンね)」

「わわんっ? わんわん、わんっ(ライオンわん? 大きいわんっ、僕もああなりたいわんっ)」

「にゃにゃっ!?(あんなに大きくなられちゃ迷惑じゃない!?)」

「わふっ、はっはっはっ(お肉食べて大きくなるわんっ。 わんわん)」

「にゃうにゃにゃん!(話を聞きなさいよ!)」


 今流れてる時間は確実に平和な時間だろう――一方でヒルトはというと別室でデジカメの写真の整理をしていた。

 一夏が撮影係なのだが、映していたのは秋の紅葉や街並みばかりで生徒のものが少なすぎる。

 ヒルトは逆に舞妓体験の時や地主神社、道中に清水寺で生徒を中心に映していたので特に問題はなかった。

 金閣寺とブロンドのコラボレーションという事で金髪女子たちがこぞって金閣寺に行ったものもある、昨日通った五条大橋でも撮影――。


「ヒルトくん、調子はどうですか?」

「山田先生、写真のデータは問題ないですよ」

「うふふ、学園に帰ってからでもいいんですよ?」

「まあ、それもそうなんですけどね」


 ある程度整理を終えたヒルト、腕を伸ばすと不意に手の甲に当たる柔らかな感触。


「……! ヒルト、くん……」

「あ、すみません……」


 赤面する山田先生にヒルトは僅かに頬を掻く――整理も終えてとりあえず立ち上がると――。


「あ……ヒルトくん。 少しだけ良いですか?」

「え?」

「あ……えっと、ふ、普段は先生と生徒という立場なので線引きは必要なのですが……。 ……ぷ、プライベートな時はヒルトくんの呼びやすい呼び方で良いので」

「ん……わかりました。 因みに今は?」

「ぷ、プライベート……ですかね?」

「じゃあ……真耶姉で」

「え、えぇ!? 真耶姉ですかぁ!?」

「ははっ、年上ですしね」

「わ、わかりました」


 僅かに赤くなる山田先生、姉と呼ばれた事が無いからか呼ばれなれてないようだった。

 何処かでヒルトが誰かと仲良くなるのは彼自身が取り持つ運命が変わり始めた結果なのかもしれない。
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