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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆強くなりたい、彼を守るために
第二十一話 隣で生きたい
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十四日目。

「いよいよだよ。」
「いよいよ、ですね。」
おそらくこのボス戦で最も緊張しているパーティーはシリカとマルバの二人だろう。二人が今回対峙するのは、第五十五層の第二フィールドボス。事前の徴候戦で分かった情報によれば、攻撃力・敏捷性が低く、防御力・HPが高い、普段だったら最も敬遠されるタイプのフィールドボスである。消耗戦になりがちで、ポーションや回復結晶代を引くとほとんど利益が得られないからだ。よって、今回攻略に参加しているパーティーはマルバとシリカのみの超少人数パーティーを含めなんと三つしかない。もともとフィールドボスは一つのパーティーで撃破することを考えてAIが組まれているためこれでもかなり安全な攻略なのだ。安全だからこそ、マルバはレベルが足りないシリカを連れてくることができた。

「いいかい、僕たちの強みはAGIにある。とにかく回避して回避して回避しまくることだ。攻撃をすればするほど大量の経験値が得られるから攻撃も頑張るんだよ。僕は君が危なくなったらスイッチするように後ろから援護してるから。あと、今回のボスなら、僕たちはLAを狙うことができる。敵のHPが残り少なくなった時、シリカのHPが残ってたら深追いしてLAを狙いにいっても大丈夫だよ。何発かなら喰らっても平気だから。でも無茶はしないでね。」
「分かりました!頑張ります!!」
初めてのボス戦。シリカの緊張は極限まで高まっていた。しかし、同時にシリカは今までマルバに教わってきた技術と最近急上昇した自分のレベルに自信を持っていた。マルバとのレベル差も最初は20以上あったのに今は10を切っている。マルバに追いつける日もそう遠くない。

「総員、戦闘準備……!」
今回のリーダーが号令をかける。それに従い、マルバとシリカは高らかに音を立てて抜刀した。他のメンバーはいかにもかったるそうに武器を抜く。消耗戦なのだから乗り気がしないのだろう。しかし、マルバとシリカは違う。遅いボスの攻撃など受けるつもりは毛頭ない。全て回避してしまえば消耗する回復アイテムなどないのだから、あるのは純粋なリターンのみだ。

「戦闘開始!」
やる気の感じられないリーダーの号令と共に、全員が駆け出した。先頭を一陣の風のように駆けるのはマルバとシリカ。シリカが一瞬でボスの背後に回りこみ、先制攻撃を決めた。それに反応してボスは身体の向きを変えるが、その動きはあまりにも遅い。ボスがシリカの方を向く前に、シリカは短剣と体術の連続攻撃を合わせて4セット決め終えていたし、マルバはチャクラムを二投、体術による連続攻撃を3セット、短剣の追い打ちまでかましていた。先制攻撃の後はマルバはシリカの後ろに着いてチャクラムでシリカのサポートのみに務める。
それはあまりにも一方的な戦いであった。マルバとシリカは両者とも敏捷をかなり重
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