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とある3年4組の卑怯者
66 開会
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 3年生全員は校庭に集合していた。校長の開会の挨拶が終わり、各クラスはそれぞれ円陣を組んだ。
「では、男子も女子もズバリ、お互い全力で戦いましょう!!」
 丸尾が皆に呼び掛けをすると、皆は「おう!」と答えた。
「よし、俺達は最初の試合だ!行くぞ!」
 大野が男子にコートへ向かうように呼び掛けた。
(よし、これまでの練習の成果を見せてやるぞ!)
 藤木は燃えていた。その時、ケンタが藤木を呼んだ。
「藤木君。これを着けるといいよ。これならボールをキャッチするときに痛みも和らぐからね」
 ケン太が差し出した物はキーパー用のグラブだった。
「ありがとう、ケン太君!」
 藤木はグラブを受け取り、手にはめた。

 女子は体育館に向かった。最初の試合は、2組と5組の試合で、2つあるコートの片方を使い、もう片方は練習用に割り当てられていた。たまえは試合に臨む橿田らがいる5組の方を向いていた。
(ひろ子ちゃん・・・)
「たまちゃん、練習始めるよ!」
「う、うん・・・」
 まる子に呼ばれてたまえは我に返った。4組にとって最初の相手である1組に備えての練習が始まった。

 男子は最初の試合で2組と対戦する事になり、整列した。藤木は並んでいる堀内を睨み付けた。
(堀内・・・、君はあれからも時々勝手に授業中に邪魔をして・・・、その日頃の恨みも晴らしてやるぞ!)
 藤木は嘗て彼によって笹山が傷付けられた事、そして自分に喧嘩を仕掛けてきた事、そして球技大会の種目が決まった時、野球がよかったなどと文句を言っていた事を思い出した。
(そんなにサッカーより野球がいいなら来なきゃいいのに、結局出るのかよ・・・)
 ケン太と2組の赤坂(あかさか)という男子がじゃんけんをし、最初のキックオフは2組となった。その後、選手たちはそれぞれのコートの陣地へと向かった。

 4組
 FW(フォワード)
 ケン太、中島
 MF(ミッドフィルダー)
 花輪、長山、とくぞう、関口
 DF(ディフェンダー)
 永沢、山根、若林、たかし
 GK(ゴールキーパー)
 藤木

 2組
 FW(フォワード)
 堀内、半田(はんだ)、赤坂
 MF(ミッドフィルダー)
 横須、柴田(しばた)朝倉(あさくら)奥田(おくだ)
 DF(ディフェンダー)
 竹村(たけむら)太田(おおた)瀬戸(せと)
 GK(ゴールキーパー)
 熱田(あつた)
 
 4組は4-4-2のフラットのフォーメーションで組んだ。それに対して2組は3-4-3の攻撃的なフォーメーションだった。
(大野と杉山が控えならこっちは楽勝だな!)
 堀内は楽勝だと思っていた。審判を務める体育の先生の合図と共に試合が開始された。ミッドフィルダーの横須がキックオフを
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