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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第67話 芸術を粉砕
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ていたモカは、あの時(・・・)の事が脳裏に浮かんだ。

「……カイト。お前何か・・・あったんだな?」

 モカは臨戦態勢をとりつつあったが、カイトのその表情をまた見て、それが消えうせたようだった。

「…………」

 それ以上は何も言わなかった。
 ただただ深い闇が、それが垣間見えるだけの表情をさせていた。 いつもなら決して見せない様な表情に。

「フ・・・話したくない・・・っか それぞれに事情はあるものだしな・・・」

 モカが悟るように、そう言った。つまりは無理に聞こうとはしない、と言う事だろう。

 表のモカにも 裏のモカにも そういうことはあるのだから、不思議じゃないし 無暗に触れて良いものでもないと言う事を知っているから。

「いつか……、整理がつけれたら話す、かもな。その時が克服できる時、って言うことか。 ……でもやり過ぎないようにしないとだ」
「フン。つまりはこういう事か。『そのときが来たら戦い合い(はなしあい)に付き合う』と?」

 最終的にはそこに行きつく様だ。
 つまり、モカはカイトとよっぽど戦いたいらしい。それを訊いてカイトは笑う。笑みを見せるまでに落ち着けた。

「ははは 判った判った。その時は モカに付き合うよ。組み手みたいなもんだ」
「それは、楽しみだな・・・」

 モカも笑う。
 そして苦笑していたカイトは顔を戻し真っ直ぐモカを見つめた。

「モカ・・・ありがとな・・・ 話・・・聞こうとしてくれたんだろ?今まで話せるような相手はいなかった・・・ モカになら話せそうな気がしたが・・・やっぱりまだ迷ってるみたいなんだ。 こんな話。最初にしたのがモカで良かったよ」

 そう言ってモカに笑いかけた。笑顔の質が一段階増したのを感じる。

「ッ……///(何て表情(かお)をするんだ・・・//)」

 モカは一気に顔が赤面していくのが分かった。
 それは、あの照れているときのモノではない、とカイトも感じた様だ。

「ん??」
「フ・・・フン 私はもう眠る・・・ またな。」

 詮索しようとしたら早々にロザリオをつけようとした。

「ん…… ああ。おやすみモカ」

 モカは顔が赤いのが悟られぬよう顔を背け、自身とつくねを頼み誤魔化しながら、ロザリオを身につけて再び眠った。


「さて・・・ 石化はつくねはまだだけどモカは解けてる・・・な、猫目先生にでも頼むか・・・」

 
 流石にモカとつくね、更には捕縛した石神と攫われていた女子生徒の8人。つまりは合計で11人をも運ぶのは きついと言うか無理なので、猫目先生に連絡した。



そして・・・失踪事件も幕を閉じたのだった。










 そして翌日。


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