第17話 日ソ不可侵条約 ターン17
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ことやら。
――――御所、御前会議――――
「……猫じいは『信長の欲望』の新作を遊ぶために欠席っと。
それでは本日の御前会議を始めます」
帝ちゃんが集まった僕らの顔を一通り見回して穏やかな声で話し始める。
「最初の議題です。
ソビエトから日ソ不可侵条約を結ばないかと提案がありました。
条約を拒否すれば、敵対意志ありとみなし、我が国に宣戦布告する……とのことです」
ドクツと交戦状態のソビエトは両面戦争は避けたいだろう。
宣戦布告の部分は脅しと牽制といったところだ。
「むぅ……ロスケ風情が生意気な!
ならば帝。三国同盟に協力し、第三帝国と共にソビエトを挟撃しましょう!
共有主義の牙城を崩す千載一遇のチャンスですぞ」
外遊ついでにコンサートに駆け付けるほどのアドルフ教の信者と化した宇垣外務長官。
「待たれよ、宇垣殿。今はガメリカとエイリスを倒すことが先ではないのか?」
さすがは俺の嫁(未だ婚約者です)。
陸海統合軍制改革が進み血気盛んだった山下陸軍長官も冷静な意見を述べるようなった。
「確かに私もソビエトは憎い。
だが……宇垣殿は第三帝国に肩入れしすぎてるように思えるのだが?」
海軍がガメリカを仮想敵としてきたように、
陸軍はロシアン王国時代からシベリア星域の勢力を仮想敵として来た。
「い、いや、そんなことはないぞ。わしは冷静に状況を分析して――
ヨーロッパ星海域の情勢に詳しい伏見くんも同様の意見だと思うが?」
「えっ? 私は山下長官と同じ意見ですが?
三国同盟には対ソビエトの自動参戦条項はなく信義に劣ることもないかと」
「お、おい、伏見くんはアドルフちゃんが残念がっても――」
「はいはい。宇垣は反対。
利古里ちゃんと伏見は賛成の立場だね。……東郷の意見は?」
「私は日ソ不可侵条約に賛成します」
「……ん。分かりました。
賛成多数で、この条約を締結することにします」
「打算の上で成り立っていているとしても、
お互いに戦争しないというのは平和的でいい条約だと思います」
なにはともあれ数日後には日ソ不可侵条約が正式に結ばれることになった。
条約締結から五年の間は互いの領土に攻め込まないことが約束が交わされる。
「それから伏見。貴方には少しの間、居残りを命じます」
「居残り……ですか?」
「……はい。貴方に一つ問い質したいことがあります」
何かヤバいことやったっけ? 数人の奉仕女官に手を出してるのがバレた?
いや、アレは手を出したんじゃなくって……出されたというか……何というか。
「ほぅ……珍しい。伏見くんがなにかヘマをやらかしたようだな? はっはっはっ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ