77部分:TURN8 レーティア=アドルフその一
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TURN8 レーティア=アドルフその一
TURN8 レーティア=アドルフ
ドクツ第三帝国の首都ベルリン。この場においてだ。
軍服の者達が集りそのうえでだ。
両足を閉じ右手を斜め上に伸ばして掲げてだ。そのうえでだ。高らかに叫んでいた。
「ジークハイル!」
「ジークハイル!」
こう叫んでいた。見れば誰もが黒い、ドクツ第三帝国軍の軍服だ。その中には威風堂々たる巨漢もいれば茶色の軍服の飄々とした男もいる。
そして小柄な少女や獅子の如き顔の男も気の強そうな女もだ。皆揃っていた。
その顔触れを控え室で見ながらだ。ドイツはプロイセンに言った。
「凄いものだな」
「ああ、俺もそう思うぜ」
プロイセンはこう相棒に返した。
「あの中を。俺達は進んだな」
「そうだ。ところでだ」
「俺達の妹だな」
「あいつ等は何処に行っている?先程から姿が見えないが」
「ああ、あいつ等ならな」
どうしているかと。プロイセンはドイツに答えた。
「今着替えてるところだぜ」
「そうか。着替え中か」
「総統さんとは別室でな。軍服に着替えてるさ」
「わかった。ではすぐに来るな」
「ああ、もうちょっとしたらな」
プロイセンはこうドイツに話す。そしてだ。
プロイセンは不機嫌な顔になってだ。そしてこうも言ったのだった。
「で、あいつもだな」
「そうだ。オーストリアもだ」
「あいつ本当に俺達の国に入るんだな」
「あの男だけではない」
入るのはそのオーストリアだけではないというのだ。
「ハンガリーもだ。我々ドクツ第三帝国の一員となる」
「国家として統合されるってのか」
「ハンガリーの上司がだ。あの方になったからな」
「レーティア総統にか」
「そうだ。オーストリア=ハンガリー帝国は併合された」
ドイツははっきりとだ、プロイセンに話した。
「だからあの二人はこれから我々の一員となる」
「何か嫌な話だな」
オーストリア、そしてハンガリーが加わることにはだ。プロイセンは拒否反応を示していた。
そのうえでだ。こうドイツに言ったのである。
「相棒と俺とな」
「妹達だけでか」
「充分だと思うんだがな」
これがプロイセンの考えだった。
「このドクツ第三帝国はな」
「しかしこのままではだ」
「ああ、俺達自体が生きられないな」
「まだ世界恐慌の余波は残っている」
ドイツは暗い顔になりプロイセンにこのことを話した。
「俺も相棒もだ。忘れた訳ではないな」
「忘れる筈ないだろ」
プロイセンは今度は忌々しげにドイツに返した。彼等もドクツの黒い軍服姿だ。
そしてその軍服姿でだ。プロイセンはその忌々しげな顔でドイツに答えた。
「あの敗戦とそれからのことはな」
「だか
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