暁 〜小説投稿サイト〜
大洗女子 第64回全国大会に出場せず
蛇足の部 秋山殿とストーカー
【特報】秋山殿、ストーカーを撃破す!
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Wi-Fiにただ乗りしていると言うことになる。
 仕方ないからメアドを「迷惑メール」に振り分けるのだが、敵もまたちがうWebメールのアドレスを取得して、またメール攻撃をかけてくる。
 しかたがないので優花里のメールボックス自体を外部から遮断する非常措置を執った。
 大洗女子公式SNSでもトラブルが起きるため、当分の間サービスを中止せざるを得なかった。
 そうしたら今度は、華の会長専用アドレスにまで伊号戦車のメールが届いた。

 あんこうチームは全員がぶち切れていた。
 優花里は責任を痛感している。確かにこんな悪質すぎるケースはレアだろうが、決していないわけではないことはわかっていた。
 みほのいう「マニア魂優先でやばいことを招いた」のは二度目だ。気をつけなければ絶対に「三度目」が起こるだろう。
 ルクリリも「三度目」は防いだのだ。
 この日は「戦車道の授業」として外部から「銃剣道」の指導者を招いて、全員が木銃で突いたり、銃床で防いだり、カウンターで蹴りを入れてみたりと塹壕戦さながらの稽古をしている。
 休憩時間になり、防具を外したみほのとなりに優花里が座った。

「西住殿。『三度目』を招かないためにも、今回の件は自分でけりをつけたいです」
「優花里さん。相手がわからないのにそれは危険……」

 優花里は稽古場の30kgほどのダンベルを右手で武道場の高い天井に放り投げて、また落ちてきたそれを、今度は左手だけでキャッチする。

「私も、この一年でだいぶ『戦車道女子』らしくなったと自負しております」

 それを見たみほは、50kgのダンベル二つを左右の手に持つと「お手玉」を始めた。

「一応、学園艦幹部交番の刑事部の人には来てもらった方がいいね。
 うまくいけば、県警から感謝状の一枚ぐらいもらえるかもよ」

 みほも「言うようになって」しまった。無理もないだろう。
 かつて、とある女性大物歌手が若手新人だった頃、自分の楽屋に侵入していた不審者をムエタイばりの膝蹴りで撃破したときは、警視総監表彰になったという。
 今度はどうだろうか。



 数日後。
 伊号戦車は、最上甲板舷側をぐるりと一周しているキャットウォークという、甲板から一段低くなっている遊歩道のあちこちにしつらえられた公園の一つで誰かを待っている。
 それまで完全閉鎖を貫いていた大洗女子のサイトだったが、ある日突然優花里専用のメアドまで含めて、すべてアクセス可能になった。
 伊号戦車は、さっそく優花里宛に「ぜひお会いしたいです」というタイトルで、内容もその一行だけというシンプルなメールを100通以上送った。100通のメールはまったく受信拒否されることなく優花里のメールボックスに届いている。
 返信は全くない。しかし伊号戦車は「熱意」を
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