遺体のない葬儀編-5-
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)は貴族様御用達の最高級のペルシャ絨毯ではないか。
何を思ったか御手洗と間違えて開けた風呂場には、マーライオンが二十匹も出迎えてくれた。
先代当主、すなわちリアの父が大の獅子好きで屋敷の中にはあちらこちらに獅子の置物が置かれているそうだ。
「獅子が見たいなら食堂にもいっぱいいるからよ、早く行こうぜ」
屋敷の中にあるものは全て初めて見る者ばかりで、目移りしまくり中々先に進まないことを苛立ちを募らせ先を歩くリアの背を慌てて追いかける。
リアがいなければこんな広い屋敷、迷子になって一生出れなくなってしまうかもしれない。
小さな獅子がドアノブの大きな扉を開くと、一人暮らしには広すぎる部屋に一人で食べるには大きすぎる長方形の長いテーブルと多すぎる背もたれ出来るフカフカの椅子とやっぱりいた多すぎる獅子たちが出迎えた。
茶々っと作ってくるからよ、と食堂を出て厨房に向かうリアの背を見送る。
……なんというか居心地が悪い。
もじもじとし顔を見合わせたルシアとシレーナは苦笑い。
一般市民、しかもド田舎の一般人にはこんな豪華な場所は場違い感じてしまい凄く居心地が悪い。出来るならすぐにでもお家に帰りたいと、ちょっぴりホームシックになってしまう。
などと色々俯せて考えていると
「お待たせ致しました。お客様」
いつの間に着替えたのだろう。メイクを落とし、長い銀色のウィッグを外し、女性物の服装だったのが、男性用のウエイターようの黒い衣装へと変わり、シュッとした美形な青年がウエルカムドリンクを片手に部屋に入って来たのだ。
「もしかしてリアさん?」
そう恐る恐る尋ねると
「キミ達の反応ってホントッ面白いよな。驚かしがいがあるっていうかさ」
あははっと笑う声は良かったリアのものだ。それにしても良く化けたものだ。女性はメイクによって別人でも何にでも化けると聞いたことがあるがまさか男性でも同じことが出来たとは……狐に抓まれたような気持ちだ。
「ほらほらっ。冷める前に食べちゃってよ」
そう言われて気が付いた。いつの間にやら白いテーブルクロスと燭台しかなかった、テーブルの上には海の幸をふんだんに使った贅沢な料理がのせきれないばかりに置かれていたのだ。
こんなに食べきれるだろうか……とちょっと不安になる。残すのは作り手に失礼だし、自分以外は女の子二人とても食べきれるとは思えない……自分が頑張らない限り。
と、思っていたのだが
「美味しい!! 美味しいよ、リアさん」
「そう。それはよかった」
あまりの美味しさに料理を取る手が止まらない。お腹が一杯だと感じたとしてもどんどん食べてしまう、いくらでも入ってしまう。
ランファ曰くこの腕前なら料亭でも通じる味だそうだ。料
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