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ヘタリア大帝国
69部分:TURN7 捕虜の処遇と処罰その三
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TURN7 捕虜の処遇と処罰その三

 その部屋の入り口にいる将校、海軍の軍服の彼が辟易してだ。東郷と日本に言って来た。
「あっ、長官。それに祖国様も」
「リンファ提督はこの部屋か」
「はい、そうなのですが」
「何かあったみたいだな」
「そうです。とにかく紅い本を出してきて私に色々と言って来て」
「マルクスだな」
 紅い本と聞いてだ。東郷はすぐに察して言った。
「あの本か」
「はい、それを出して来て共有主義をしきりに勧めてきまして」
「予想通りですね」
 日本はその将校の話を聞いて眉を顰めさせて言った。
「共有主義の勧誘にかかってきましたか」
「そうだな。しかしここはだ」
「はい、共有主義についてですか」
「俺が引き受ける」
 東郷が日本と将校に対して言う。
「そうしてもらっていいだろうか」
「私も協力させてもらっていいでしょうか」
「祖国さんもか」
「はい、二人でリンファさんとお話しましょう」
 日本は切実な顔で日本に話す。
「ここは是非」
「実は祖国さんの力も借りたかった」
 東郷はここで本音を述べた。
「共有主義が我が国に入ると危険このうえないからな」
「そうですね。だからこそ」
「処刑なんかしたら相手と同じだ」
 ソビエトと、だというのだ。
「だから避けたいしな」
「そうですね。そうしたことはあまり」
 日本も好まない。それで東郷に応えて述べるのだった。
「よくはありません」
「なら二人でだ」
「共有主義の危険性についてお話しますか」
「その根拠となるものも多いからな」
「では」
 部屋の扉の前で二人頷き合いそのうえでだ。二人はその部屋に入った。するとリンファはすぐにだ。二人のところに来て切実な顔でこう言って来た。
「あの、実はですね」
「ああ。君に話したいことがある」
「少し宜しいでしょうか」
 東郷と日本はそのリンファにソビエトの実態を話しはじめた。
「ソビエトにあるのは弾圧だ」
「階級がなくともです」
「革命の敵とみなされればそれで終わりだ」
「容赦なく収容所に送られます」
「収容所?」
 そう言われてもだ。リンファはだ。
 怪訝な顔になりそのうえでだ。首を傾げさせてこう言うだけだった。
「ソビエトにそんなものはありませんが。それにです」
「それにとは?」
「ソビエトは階級も貧富もない理想の国ですよ」 
 実に無邪気な感じでの言葉だった。
「そのソビエトにどうして収容所があるのでしょうか」
「どうやら純粋にだな」
「その様ですね」
 今三人は部屋のソファーにテーブルを挟んで向かい合って座っている。東郷と日本が向かい合っている。その中でだ。東郷と日本は向かい合って座っている。そこで顔を見合わせてだ。二人は一旦こんな話をした。

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