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ヘタリア大帝国
62部分:TURN6 北京星域会戦その八
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TURN6 北京星域会戦その八

「だからな。あいつは一度な」
「ぶん殴ってやりたい」
「そう考えてたんですね」
「ああ、だからここはやってやるぜ」
 またこう言う田中だった。
「いいな、野郎共!」
「へい提督!」
「やってやりましょうぜ!」
 田中の部下達もだ。こう田中に応える。そのうえでだ。
 彼の艦隊は一直線に突き進みだ。そうして。
 攻撃射程に入るとだ。即座にだった。
「撃て!」
「撃て!」
 まずはビームが放たれる。それでだ。
 樋口艦隊の多くを吹き飛ばした。その攻撃を受けてだ。
 樋口は旗艦の艦橋でだ。慌てふためきながら叫んだ。
「なっ、強い!?」
「馬鹿な、魚や動物ばかりの艦隊だというのに」
「あの強さは」
「しかも魚の質だけじゃない!?」
 樋口はその田中艦隊を見ながら言っていく。
「敵の指揮もいい!」
「あの提督は一体!?」
「何者!?」
「やい、セクハラ親父!」
 ここでだ。モニターに田中が出て来た。木刀を担いで叫ぶ。
「神妙にしろ!ぶん殴ってやるぜ!」
「げえっ、田中!」
「ああ、今は日本帝国軍の提督だ!」
 それが今の彼だと自分で言う。
「手前は今から殴る!覚悟しやがれ!」
「ひ、ひい!」
 田中の宣言を聞いてだ。樋口はだ。
 これまで以上に狼狽してだ。そうしてだった。
 部下達にだ。蒼白になった顔で叫んだ。
「て、転進!」
「転進!?何処にですか」
「一体!」
「と、とにかく逃げるんだ!」
 こうだ。部下達に叫ぶのだった。
「いいか、逃げろ!」
「で、ですが提督!」
「ここで我等が逃げれば!」
「いいから逃げるんだ!」
 田中の攻撃を受けてだ。樋口はとにかく逃げようとしていた。
「さもないと殺される!早く!」
「ですがここで退けば」
「戦局が」
「構わん!これだけの大艦隊だ!」
 樋口は艦隊の数を理由にした。
「早く逃げるんだ!後はどうでもなる!」
 こう命じてだ。樋口は真っ先に逃げだした。それを受けてだ。
 田中は部下達にだ。さらに命じたのだった。
「よし、追うぞ!」
「はい、そしてですね」
「敵を」
「ああ、あの助平親父の首を取る!」
 そうするというのだ。そしてだ。
 田中は逃げる樋口を追う。その前にいる敵艦隊はだ。
 次から次にだ。薙ぎ倒していっていた。
「へっ、取り乱してる艦隊なんてな!」
「他愛もないですね」
「大したことはないね」
 小澤と南雲も続く。二人の艦隊は田中に続いて敵に攻撃を浴びせている。
「このまま樋口の艦隊を追って」
「そのまま敵陣を崩すんだね」
「皆俺に続け!」
 とにかくだ。田中は攻め続けている。
「いいな、中央突破だ!」
「はい、では田中さんいきましょう」

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