第五章
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「いいな」
「はい」
マッテウッツィは何とか冷静さを取り戻した、こうした時は彼も軍人それも士官だけあtてすぐに冷静さを取り戻す。そしてだった。
レオンカヴァロに言われた指揮を忠実に行い難を切り抜けた。部隊は司令の的確な指示の下大雨を乗り切ったが。
その後でだ、彼は言った。
「まさか」
「大雨なんてか」
「降るなんて思いませんでした」
「俺もだ」
レオンカヴァロは雨の後で疲れ切った顔になっているマッテウッツィに答えた、ゆうがたになり雨は止んだが周りは池の中にある様だ。
「まさかな」
「ここでこれだけ降るなんて」
「想像していなかったな」
「全くです」
「そうだな、しかしな」
「しかし?」
「こうしたことは起こるんだ」
レオンカヴァロはそのマッテウッツィに話した。
「戦場ではな」
「こうしたPKOの時も」
「気候だってそうだしな」
「敵もですね」
「奇襲はそうだろ」
まさにそれだというのだ。
「相手の意表を衝くものだな」
「思わぬところを攻める」
「そうして勝つものだな」
「はい」
その通りだとだ、マッテウッツィも答えた。
「それが奇襲です」
「マニュアル通り、そしてデータ通りにやっててもな」
「普通のことは出来ても」
「奇襲や今みたいなな」
「思わぬことにはですね」
「対処出来ないんだ」
「今の私みたいに」
「そうだ」
まさにというのだ。
「データやマニュアルだけだとな」
「そして」
自分で気付いてだ、マッテウッツィはレオンカヴァロに言った。
「私が部下から評価が低かったことは」
「わかったな」
「マニュアルやデータだけだったから」
「そうだ、御前はそう思われていたんだ」
「そういうことでしたか」
「わかったな、これで」
「よく」
「わかったら変えていけ」
自分自身をというのだ。
「いいな」
「はい、そうしていきます」
「まだ大雨でよかった」
レオンカヴァロはマッテウッツィにこうも言った。
「これがゲリラの攻撃だったらな」
「もっととんでもないことになっていましたね」
「そうだ、大雨でまだよかった」
「本当にそうですね」
「わかったらな、いいな」
「はい、これからは色々と見ていきます」
マニュアルやデータばかりでなくとだ、マッテウッツィは答えた。
「そして考えていきます」
「そうしろ、世の中戦争は特に何が起こるかわからない」
「そのことがわかっていないとですね」
「負けるからな」
「そういうことですね」
マッテウッツィはレオンカヴァロに全てがわかった顔で頷いた、そのうえで自分自身を変えていった。マニュアル人間から物事を臨機応変に観て考えて決める人間に。そして部下からは信頼され頼りにされる上官になった。
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