幕間08 許嫁の陸軍長官からお礼に何でもするって言われたので
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「……伏見総長。話があるのだが……いいか?」
「いいけど?」
五一五事件の後、利古里ちゃんと話し合って、お互いの距離を近づけることができた。
「実は……その……今日は……」
「わかってる。今日は利古里ちゃんの誕生日だよね?」
「知っていたのか?」
「お見合いのときに聞いたけど?
もちろん。プレゼントもちゃんと用意してる。今夜は空いてるの?」
「まったく……貴方らしい準備のよさだな」
「司令部総長が勝利のために事前の準備を惜しまない人物だってのは、
山下陸軍長官もよく知ってるよね?」
「敵わないな。ではその……今日は一緒に祝ってもらえるのか?
「喜んで。婚約者の誕生日なんだから当然」
――――日本帝国ホテル――――
予約していたホテルのレストランでディナーを堪能し食後ワインを楽しむ。
珍しくほろ酔い気分となった利古里ちゃんが、
周囲を気にせず二人っきりで話をしたいと言い出したのでホテルの一室を借りた。
「今までは二人っきりになるのは嫌がってたのにどうしたの?」
「っ……私はあの時のお礼がしたいだけだ」
利古里ちゃんが顔を真っ赤にそめて俯く。……可愛い。
「お礼?」「五一五事件だ」
「あれは婚約者を馬鹿にされて怒っただけ何だから当然で……お礼なんて」
「違う。陸軍の問題を海軍に片付けて貰った。仕事での借りは作りたくない」
そう言って利古里ちゃんが服を脱ぎ始めようとする。
「……待った。以前に婚約しても正式に結婚するまで婚前交渉はしないって言ってたよね?」
「ああ……婚前交渉までするつもりはない」
「ん? 挿入はなしってこと??」
「……そうだ。すまないが、そこだけは譲れない線だ。
それ以外なら、お礼に何でもする」
ん?今、なんでもするって言ったよね?
「仕事での借りを返すためだけに何でもするの?
借りの相手が東郷長官でも同じように抱かれるわけ?」
NTRを想像して少しだけムッとしながら問いかけてしまう。
「それは違う。貴方という婚約者がいるんだ。そんなことはしない。
……貴方だから……婚前交渉はまだ早いが……それ以外なら身を任せてもいいと思ったのだ……」
「……ごめん。失礼なこと言ったのは謝る。
けど東郷長官に借りを作ったとしても何でもするからって言うのは止めてね。
あの人は変態性癖の持ち主って聞くし、ホントにトンデモないことお願いしてくるかもしれないから」
予防のために東郷長官の風評被害をばら蒔いておく。
「ふふふ……たしか破廉恥長官なら充分にありえそうだな。気をつけよう」
「利古里ちゃんは、いい女だから、他の男に抱かれるのは我慢できない」
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