第一章
[1/2]
[1]次 最後 [2]次話
BABYLON
東京バビロン、この漫画を読んでからだった。私は友人に考える顔になってそのうえで言った。
「面白い漫画だったけれど」
「結末が?」
「悲しいわね」
「そうした終わり方よね」
友人もこう私に返した。
「本当に」
「東京はバビロンっていうのね」
「聖書にも出て来るね」
「何ていうか」
私はまた友人に話した、話しつつここでクラスを見回した。窓の外も見て中庭を見ると半ズボンの体操服の女子生徒が体育の用意をしている。
クラスの中は完全な日常だ、私はその日常を見てから友人に言った。
「普通じゃない」
「東京はね」
「少なくとも学校の中はね」
「そうよね、ただね」
「ただ?」
「その漫画二十世紀の終わり頃の漫画よ」
友人は私にこのことを言ってきた。
「その漫画はバブルの頃だし」
「私達が生まれる前ね」
「その頃の漫画でね」
「何かあれよね」
私はそのバブルの頃について聞いた話を思い出して言った。
「何かやたら派手で舞い上がって」
「爛熟期っていうかね」
「そんな時代よね」
「もう何をしても儲かる」
「そんな頃で」
「まあ何かと賑やかで退廃的で」
そうした時代でというのだ。
「社会問題もあって」
「それは何時でもあるじゃない」
私は友人に返した。
「それこそ」
「そうね、けれどね」
「それでもなの?」
「バブルの頃は賑やかだったから」
「その社会問題も浮き出た?」
「コントラストでね」
賑やか、繁栄とのそれでだ。
「そうなっていたんじゃないかしら」
「そうなのね」
「それでバビロンはね」
今度は聖書にも出て来るこの街の話になった。
「漫画の中で繁栄と退廃とね」
「それで崩壊ね」
「それに向かっていた街ってされていたでしょ」
「それで東京もなのね」
「そう言われてるから」
「だから東京バビロンね」
「そうなのよ」
「私達が住んでいるこの東京をバビロンに例えた」
バブルの頃の東京をだ。
「そうしたお話なのよ」
「この作者さん東京よく作品の舞台にするしね」
「東京タワーにしてもね」
今はスカイツリーになっている。
「よく出るわね」
「そうなのよね」
「続編にもね」
東京バビロンのキャラクターがそのまま出るエックスにもだ、ただこの漫画はまだ終わっていない。
「出るし」
「東京タワーはね」
「それでね、けれど」
「それでもよね」
「その頃の東京はどうか知らないけれど」
「そうしたお話ってことね」
「つまりは」
二人で話をしてこのことはわかった、そのうえでだった。
私はこの日学校の授業が終わってから部活がなかったので友人と一緒に環状線を利用して渋谷に行った、その渋谷の街を歩きつつまた
[1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ