第三章
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そうしてツリーを飾り終えるとだ、寿は自分の部屋に向かった。その時に千佳にこんなことを言った。
「じゃあ今から勉強するからな」
「もうすぐ期末テストなのよね」
「それがなくても勉強してるからな」
成績優秀なのはこのことからだ、勉強はいつも欠かしていないのだ。
「それじゃあな」
「今日は走ったりしないの」
「もう朝早く起きたんでしたんだよ」
「何で起きたのよ」
「兄貴さんが夢に出て来て胴上げしてるのを見てな」
優勝のそれであるのは言うまでもない。
「喜びのあまり起きたんだよ」
「それでなの」
「ああ、それで喜びのあまり走ってな」
血気が逸ってそれを鎮める為にそうしたのだ。
「もう済ませたんだよ」
「そうなのね」
「それで気分がすっきりしてるからな」
「だからなのね」
「学校の授業も終わってツリーも飾った」
部活はテスト前で休みだったのだ。
「気分よく勉強してな」
「テストでいい成績取るのね」
「そうするんだよ」
こう言ってだった、寿は自分の部屋に向かった。千佳もその兄を見送ってから自分の部屋に戻った。そうして兄と同じ様に勉強をしたが夕食の時には兄からまた言われた。
「来年が楽しみだな」
「阪神優勝っていうのね」
「そうなるからな、今年は御前に見せてやるからな」
「その言葉もそっくり返してやるわよ」
やはり負けていない千佳だった、兄を正面から見据えている。
「鯉の力甘く見ないことよ」
「どうだかな」
「野球のことはいいから早く食べなさい」
母が二人に言ってきた。
「いいわね」
「わかったよ、それじゃあ」
「食べるわよ」
「全く、いつもいつも野球なんだから」
母は自分の子供達両方に注意した。
「何でそこまで好きなのよ」
「だって好きだから」
「仕方ないじゃない」
「どうして好きかって言われたら」
「もう気付いたらだし」
このことは兄妹一緒だった。
「カープ好きなのは」
「阪神が好きなのはね」
「だからどうしてって言われると」
「返事に困るんだけど」
「そうよね、まあ応援するのはいいから」
母もそれはよしとした。
「早く食べなさい、それで順番にお風呂に入りなさい」
「お父さんが帰って来る前に」
「お父さんが入る前になのね」
「そうしなさい、お母さんも最後に入るから」
そうして掃除をして寝るのだ。
「さもないとお母さんが入るのが遅くなるでしょ、じゃあね」
「うん、早く食べてお風呂に入るよ」
「そうするわね」
「クリスマスツリーも飾ったし」
十二月に飾るそれもというのだ。
「早く入りなさい」
「そうするわね」
千佳は母の言葉に頷いた、そして寿も。そのうえでツリーにあるそれぞれのチームのエンブレムを見た。ツリーにあるエンブ
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