第14話 ドクツ海軍大学校時代 Ev04
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全く穴の無いものに仕上がっていたから、
彼とのディベートになると勝てる論客は一人もいなかった。
多数派を打ち負かすフシミについたあだ名が“悪魔の代弁者”さ」
「ああ。デーニッツがフシミのことをアクマと呼んでいたのはそういう……こと?
デーニッツとは訳ありの犬猿の仲なのかと思ってたわ」
「討論でやりあったことはあっても、それ以上の関係はないだろうな。
何しろフシミは頑なに純潔を守っているような古風な男でな。
オフランスやイタリン人のような軽薄な奴らに、
女みたいな奴は女と一緒に遊んでいろとか馬鹿にされてたんだ。
だから猶更に女性を近くに寄せることは無かったしな」
「それならデーニッツ提督が一方的に苦手意識を持ってるってこと?」
「そうじゃないのか?
討論では自分の理論を証明するために攻撃的になるときもあったそうだ。
それにフシミがデーニッツの潜水戦の論文を随分と評価して口にしてた記憶もある」
「そうなの?」
「フシミは討論するにしても喧嘩を売ってこない限り馬鹿は相手にしない主義だ」
「議論に熱くなって攻撃的になったけど悪意はないってやつ? それって逆にタチが悪いわね」
「まあ。フシミも慣れぬ異国の地に来たばかりで余裕が無かったのか、
鞘に納まってない抜き身の鋭利な刀みたいに殺気を放ってたから恐れられたんだろ?
あいつを女みたいだとか馬鹿にしてた奴らは報復にあって口を噤むようになったが……」
「(理論家としての自信と自負もある……冷徹な合理主義者か……)
たしかに職人肌で口下手なデーニッツ提督は苦手な相手でしょうね。……大丈夫かしら?」
「フシミには戦場に立ったら理論だけでは部下は従わないと口酸っぱく言ったからな、
帰国してからは何度も前線で戦って部下と苦楽を共にしたと聞いてる。
総長の立場にいるってことは大勢の部下の命を預かる立場になって変わったってことさ。問題ないだろう」
「(たしかにレーティアも上に立ってから変わった部分もある)それなら平気かしら?」
…………
……………………
…………………………………………
「とりあえず調査したけど日本には武士は食わねど高楊枝ということわざがあるみたいね。
衣服や食事や遊び何かには一切お金をかけないストイックな人物。
私と出会う前のレーティアに似てるのかしら? 理論家同士で気が合うのかしら?」
「けど女っ気がなく余裕がないのは童貞特有のアレね。
レーティアは“本物”のアイドルだから純潔は当然のことだし仕方ないとしても……男の場合は……
けど見たら容姿も(偶像-アイドル-として)悪くない。むしろ磨けばかなり光るタイプだわ。
これなら女装さ
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