第10話 魅せられる英雄
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閥との間には私達が知らない何かがある様ですから」
「何言ってんだ!今此処で始末つけとかねぇと、後々厄介な事になるに決まってるだろ!」
士郎を置いて言い合う2人。
そのやり取りに呆れて与一に皮肉る。
「正気を失ったサーヴァントを諫めるマスターと言うのはよくある話だが、その逆とはな。まるで誰彼構わず噛みつく狂犬だな、那須与一」
「組織の尖兵風情が“特異点”たる俺を見下すだと!?いいだろう、格の違いを見せてやるぜッ!」
「マスター!」
遂に我慢の限界に達したのか、ジャンヌの制止も聞かずに士郎に向かって殴りかかる与一。
近接戦は専門外だが、弁慶からの理不尽なしごき等から相応に無手での戦闘も行える。
だがしかし、
「・・・・・・」
「ガッ!?」
「マスター!?」
殴りかかって来た与一を無駄な動作無く余裕で躱した士郎は、その流れで背後に回り込み首に手刀を当てて意識を刈り取ってからジャンヌに引き渡した。
「正直これ以上付きあいきれないから気絶させたが・・・・・・任せても大丈夫かルーラー――――オルレアンの乙女、ジャンヌダルク」
「矢張り気付かれましたか」
士郎から自分のマスターたる与一を引き取ったジャンヌは嘆息する。
与一は先ほどジャンヌと口にしようとした直前で踏みとどまりルーラーと言って誤魔化そうとしたが、むしろそれが真名のヒントを与えてしまったのだ。
それに“ルーラー”に“女”性で“ジャ”から始まる代表格と言えば、聖処女ジャンヌダルク辺りと容易に予想出来てしまうだろう。
「そりゃあな。以後はもう少し話しといたほうが良いぞ」
「そうします。では――――と、その前に」
「ん?」
「この世に現界した私は、貴方とマスターを除いて他の誰にも自己紹介をしてないので言うのは烏滸がましいかもしれませんが、今日は義経達を助けて下さってありがとうございました」
ジャンヌの偽り無き感謝に、先程まで保っていた緊張を解く。
「いいさ、俺が好きでやった事だしな。けど感謝は素直に受け取ろう。どういたしまして」
未だ疑惑が晴れていないが、せめて目の前の少年に思う。
――――どうか、衛宮士郎の善性が何時までも続きますように。
シーマという偽名で装っているセイバーのマスターであろう士郎に、ジャンヌは心から祈った。
――――もしかすれば、違う出会いがあれば未だに疑惑を持つ関係などとは逆に、もっと信頼し合える親密な関係を作れていたのかもしれない。
−Interlude−
((((((;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガクガクブルブル
あのまま真っすぐ衛宮邸に行った一子は今、剣道場にて正座の態勢で
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