第10話 魅せられる英雄
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《恥知らずの犬》共に捕えられたのだぞ!!」
「確かに憤慨するべきところだが、そこまで熱くなっても仕方あるまい」
「そうよ。此処は一度バックに今後についてお伺いを立てましょう?」
「丁度この船は京都に向かっているしな。船長、あとどれくらいで着く?」
話しかけられた男は海上での冒険家と言った船長らしい服装で、立派な顎ひげを蓄えた壮年の船乗りだ。
船長と呼ばれた男は操舵を操りながら何でもない様に告げる。
「ん〜?向かってる先は京都じゃねぇぜ?〇〇国さ」
「は?」
「何の冗談だ貴様!?」
「貴様はあの方々に雇われた船乗りでしょうが!それとも私達を騙したの!?」
船長の言葉に先程まで冷静だった幹部達が声を荒げる。
だが罵声を受ける当人は堪えておらず、面倒くさそうに言う。
「向かってるとこは確かに俺の意思だが、お前らの処分にはお前さん方の言う“あの方々”の依頼だぜ?」
「何を・・・!」
「察しの悪い奴らだ。つまりお前らは捨てられたんだよ」
「「「「――――は・・・・・・・・・?」」」」
――――コイツは何を言っている?
幹部全員がそんな顔をしていた。
「お前らのバックは九鬼財閥とその周囲を決して甘く見て無かった。失敗したときの事を考慮に入れて、事前に別の拠点に移動してたんだよ。それでも自分達が見つかり拘束された場合に言い逃れが出来る様、組織内で自分達を知る者達――――つまりお前らの処分も含めてのモノが今回俺らが受けた依頼だったって事だ。――――つう事で、自分達の立場を理解してもらえたかな廃棄物の諸君?」
まるで嘲笑うような説明に、4人とも信じられなかった。信じたくなかった。
それはそうだろう。自分達にとって“あの方々”は親同然である。
そんな親同然の機嫌を損ねた心当たりも無いのに、突如として捨てられたなど到底受け入れられなかった。
「ふ、ふざけるな!」
「そ、そうよ。出鱈目吐いてるんじゃないわよッ!」
2人が腰に携えていた刀を抜き放ち、自分達を嘲笑うその口を塞ごうと船長に斬りかかる。
だが、
「おっと、危ねぇな」
「「ッ!?」」
船長は銃とサーベルで自分に斬りかかって来た2人の眼前に突き付けて、2人を制止させた。
船長の動作には一切に淀みが無く、到底ただの船乗りとは思えない動きだ。
「源聖大和国の構成員達は最低一般人よりは動けることは知ってるし、お前らも八聖衆程では無いが動ける事も知ってるが、所詮は八聖衆よりも下程度だろう?」
「クッ!」
「オイオイ、そう睨むもんじゃねぇぜ?慈悲深い俺は、お先真っ暗な廃棄物諸君に自身の今後の処遇の選
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