第10話 魅せられる英雄
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いかと疑う始末だったのだが――――これにジャンヌがキレた。
自分勝手な妄想に憑りつかれたマスターに説教を始めたのだ。
これにより与一の中で一番恐ろしいのが弁慶よりもジャンヌが上となったのだ――――が、あれだけ怯えていたにも拘らずまだ反抗する気力が残っていたらしい。
ただあの時はジャンヌの怒りに怯えていただけで、納得はしてなかった様だ。
「話しましたよね?彼らの詳しい事情を把握するまでその話はしないと」
「だ、だ、だからって、お、おおお俺は納得してねぇぞ?アイツ等は確実に怪しいんだからな!?」
「でしたらマスター、その確実と言い切れる根拠はあるんですか?」
「根拠?そんなの俺のシックスセンスで十分じゃねぇか」
話が通じないとばかりに溜息を吐くジャンヌは、この場は仕方ないと強硬手段に出ると決めた。
「マスター」
与一と向かい合い、肩に手を乗せる。
「あん・・・・・・・・・うっ・・・・・・・・・」
直接与一に触れる事で、自分に送られてくる魔力のパスを使って僅かに逆流させることで体内の魔術回路をかき乱して意識を刈り取ったのだ。
ジャンヌは倒れる与一を抱留めて、近くにある椅子に座らせて寝かせた。
「良かったのかい?」
「良くはありませんが仕方ありません。ですが如何してマスターは自分の直感が正しいと言い切れるのやら」
ジャンヌが溜息を吐くとマープルも別の意味で溜息を吐く。
「それはまあ、中二病を患ってるから余計だろうねぇ」
「中二病・・・・・・ですか?聖杯から送られた知識には有りませんが、まさか精神を多大に歪める恐ろしい病気なのですか!?」
「まあ、ある意味精神病かもねぇ」
「どの様な症状なのでしょうか?差し支えなければ概要を詳しくお願いできますか?」
「まあ、構わないが――――」
ジャンヌに頼まれて中二病の事や特徴的な言動まで教えるマープル。
全てを聞き終えたジャンヌの反応はと言うと、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「まあ、そうなるだろうねぇ」
「で、でしたらマスターは・・・」
「源聖大和国のような組織がいたのも偶然だからね。確かにあの子達を狙っている組織はいたけど、あの子の脳内で認識している組織は紛い物以外のナニモノでもないよ」
「・・・・・・・・・」
「後これは私の勝手な考えだが、アンタが与一のサーヴァントとして召喚されたのは“不幸と幸運と奇縁”の重なり合いの結果だろうねぇ」
これらを聞いた上で自分の中で色々と整理するジャンヌ。
「・・・・・・分かりました。ミス、マープル。マスターの手綱の握り方は、私にお任せください」
「いいとも。さっきのやり取りを見る以上、与一の
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