第10話 魅せられる英雄
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「主らはまっすぐ帰って来たのだな?」
「ん?そうだけど・・・?」
話し合いをする事に違和感はない。士郎を通じて普通にしゃべり合うくらいには仲を深めてる知り合いとなっているからだ。
「ふむ、何も無ければよいのだ」
「?確かにモモ先輩と高圧的な爺さんが同じ方向に突然消えて行ったけど・・・・・・何かあった?」
「まあ、少々な。それより話題を戻すが・・・」
今も直剣道場から怒号と悲鳴と轟音が聞こえて来る。
「ワンコ・・・大丈夫?」
「ふむ。アルバとて武の極地に至る者だ。幾ら一子の敗因が勝利を目前としてからの油断とは言え、早々滅多な事はするまい。それにもしもの場合は余が介入する故、信じて欲しいな」
「ん、そこまで言うなら」
「有り難い。――――そう言う事だからお主もいいかな?」
「「?」」
明後日の方向に向けて言い放つシーマに疑問符を浮かべる京とクリス。
レオは何となく、リザは気配で感じ取っていたので気づけた。
だが自分の言葉に応じる様子も無いので、スカサハが感じていた感想を使って揶揄おうと考えるシーマ。
「半月前からちょくちょく覗き見盗み聞きに来てるそうだが、そこまでしてまで一子に好意を寄せてるのか?ミナモトタダカツ」
「違ぇッッ!!」
シーマに揶揄われてか、曲がり角に隠れていた源忠勝が否定と同時に姿を現した。
「源殿?」
「あ、来てたんだ」
クリスは何故忠勝が此処に来ているのか分かっていない様だが、京はすぐに察しがつき、淡白な反応だ。
クリスからのは兎も角、京からの視線には耐えきれない忠勝は自分から聞く。
「違えからな・・・」
「何が?」
「だ、だから・・・」
「あくまで幼馴染の腐れ縁として心配で来ただけで、異性としてのどうこうは無い――――って事?」
「そ、そうだ。分かってりゃいいんだ」
明らかに動揺している忠勝に、彼の視界外でリザがニヤついており、レオも微笑ましく笑顔だけを送っている。この主従良い性格をしている。
そんなギャラリーをよそに、あくまでもスカサハの感覚を元に揶揄って引っ張り出したシーマはクリスとは別の意味で不思議そうにしていた。
「そうなのか?余の私見で言えば、一子と忠勝は中々お似合いだと思うが?」
「んな!な訳あるか!」
「・・・・・・・・・」
忠勝の反論に興味深そうに黙るシーマ。
その視線にも耐えきれず、再び忠勝から聞く。
「な、なんだ・・・?」
「ふむ。これが俗に言う“ツンデレ”と言う奴か」
「「「ぶはっ!」」」
「?」
「あ゛?」
本人が認めることは決してないだろうが、源忠勝の性格はツンデレだ。
だがそ
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