第10話 魅せられる英雄
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――――そんなプランを朝から計画していた様だ。多くの挫折と復帰を繰り返してきたエジソンらしい考え方と言えるかもしれない。
だが全てを言い切る前にエジソンは2人を発見してしまった。
「――――食べ・・・・・・」
「トーマスさーん・・・」
「・・・・・・・・・」
一子は泣きながらトーマスに助けを求め、スカサハはなにやら『今から不肖の弟子を鍛えるのだが、お前も私を愉しませてくれるのか』とあまりに恐ろしい微笑を浮かべながら言外に瞳で伝えて来た。
これにエジソンは困惑顔を浮かべる。我が身を犠牲にしてでも庇うか、それとも――――。
くわっと、音が出るのではないかと両目を全力で見開き、困惑顔から真剣な顔へと一転したエジソンは体全体を180℃回転させてから、
「すまない、急な用事を思い出した。それと部屋を間違えてしまった様だ、失礼する!」
逃亡を選択した。
急な用事を思い出したと言う苦しい言い訳は兎も角、部屋を間違えたと言うなら有りえない話だ。
衛宮邸の剣道場は本邸から離れおり、入り口は2つあり、一つは本邸と道場を繋ぐ屋根はあるが足元は廊下など無く、石畳にサンダルや靴を履いて移動するものだ。
そして、もう一つがエジソンも使っていた完全に扉の外に本邸と繋ぐ屋根など無く、玄関口には靴入れ棚もある玄関と酷似している入り口だった。
さらに剣道場は一つしかないので、部屋を間違えたと言うのは矢張りあり得ない事だ。
そもそも今日一日を一子のためにと、犠牲にしていた男にしてはまず有りえないモノだったが、合理的な心情よりもスカサハへの恐怖が勝ったのだろう。
そうして今度こそ救援の手が途絶えた一子は、今迄の修業が可愛く見える程の地獄に突き落とされるのだった
「あああああああああああああああぁあああああぁあああああっっっ!!!」
その悲鳴を衛宮邸の入り口の門近くで聞いていた2人分の人影――――クリスと京は困っていた。
「如何する京?」
「私達に出来る事は祈る事しかないよ、クリス」
「だけどこのままじゃ犬の奴、不味い事になるんじゃないか?」
「士郎さんの家の人だから一線は超えないと思うけど、それともクリス1人で突撃してみる?多分巻き添え喰らうよ」
「うぐっ・・・・・・・・・分かった、自重する」
「――――それが賢明であろうな」
「「!」」
突如自分たち以外の声が上がったので振り向くと、そこには今正しく帰宅してきたシーマ達の姿があった。
クリスはレオの護衛のリザに会うと即座に抱擁の挨拶を交わす。如何やら護衛に着いてから一度もクリスには会いに行ってなかった様だ。
そのため、然的に残された京へと質問する
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