第12話 軍令部総長の二面性 Ev03
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
御所内、帝の部屋――
「……ハルさん、お願いしていた伏見空に関しての
調査報告書を持ってきてください」
「畏まりました。軍令部総長抜擢の際に
目を通されたものに多少の追記を加えております」
「うん、これこれ。
少女漫画の雑誌のように検問は加えてませんよね?」
「はぁ……さすがに人事に関しての報告書なので、
私どもの判断で検問するわけには……」
「ほっ、ならいいの」
「正直、私としましては東郷長官と伏見総長は
双方ともご本人そのものを検問したいところなのですが……」
「東郷長官は何となくわかりますが……
伏見総長もですが? 真面目な方だと聞いてますが?」
「そちらは追記をお読みください。
それでは失礼します」
「ふう……女官長は私が殿方に興味を持つのを
あまり快く思ってないみたいですね……」
帝は自分の胸にそっと手を当てた。
「うん……やっぱりどきどきしてる。
三国同盟も世界日本化計画のときも
この国の未来に力を貸してくれるだけじゃなくって
私が考え足りてないことに先に気付いて導いてくれた。
これって恋をする気持ちなんでしょうか……」
伏見を軍令部総長に任命した時は主に添付された顔写真と経歴、
陸海長官の間に立つ新たな役割を務めることが出来るかを中心に報告書に目を通した。
けど今は少しでも伏見のことをよく知りたいと想いページを捲り始める。
伏見空レポート(情報部)
軍歴
『15歳の若さで海軍士官学校に入学し飛び級で最優の成績を収めドクツ帝国に国費留学。
ドクツ海軍大学校で発表した論文は欧州星海域でも高く評価された。
帰国後は軍令部に勤務し将来を担う軍政家として期待されるも
本人の希望により巡洋艦の艦長や戦艦の副長・参謀といった職務も任せる。
華族にも関わらず自ら率先して最前線に立ち
部下と苦楽を共にするのを厭わない姿勢は多くの将兵に好感を持たれている。
質素倹約を心掛けており庶民派華族と呼ばれていた。
現場での艦隊勤務により軍功を重ね昇進したが、
過去に提出したレポートは昨今の欧州情勢を言い当てており
正規艦隊の司令官ではなく軍令部において手腕を発揮して欲しいとの意見が強い』
人物像
『伏見家は名門だが二人の兄がおり、庶子ということで早くして自ら道を立てる為に軍人となる。
若くしてエリート街道を進み容姿と相まって学生時代から男女の人気が高かったが、
留学前および帰国後も異性との浮ついた噂は何一つなく、女遊びを行ったこともない。
一部では男色家ではないかと噂されていたが、こちらは調査によって否定されている。
人付き合いは悪くないが、深
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ