第11話 世界日本化計画 ターン09
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御所内、御前会議――――
占領地で反乱が起こったことを受けて対策が話し合われた。
外務長官の宇垣さくらが日本は他国に比べて比較的温情な植民地政策を行っていることを説明する。
「それでも反意を示すものは絶えません。
今後はより厳しい規律を持って植民地運営に励む所存であります」
「…………やだな」
帝ちゃんが哀しそうに目を伏せて呟く。
「ええっ?」
「あ、いえ……
日本が他国に攻められ属国や植民地にされるのは嫌ですが、
他国の人もその気持ちは変わらないのだと思いまして」
「そ、それはそうですが……」
「……分かってます。
ですが、人は他人に支配されることは望みません。
これまでの歴史を振り返れば明らかでしょう?」
「確かに……過去に栄えたどの大国も、
力による支配を行い、最後は民衆の反乱により滅びております」
「ですが、現実問題として我が国は戦争中。
国力を増やし大国と渡り合う為には植民地政策しか方法が……」
「本当にそうでしょうか?
私、考えました。どうして反乱が起きるのか……
支配する者とされる者が存在する限り、両者は仲良くなれないのです」
「ですから世界を一つにしちゃいましょう?」
「……は?」
「ふふ……つまりね、世界を全て日本にすればよいのです」
「あの……仰る意味がよく分からないのですが?」
流石に陸軍長官の山下利古里も戸惑いの声をあげる。
そういえばドクツとイタリンの両総統と文通を始めたらしいけど、
ゆるいところはムッチーニ総統、
あと世界日本化とかは明らかにレーティアの世界征服の影響を受けてる気がする。
「だから、これからは占領した国を植民地として扱わず、
同じ日本の一部とするのです」
「そして住人には、日本人と同じ権利を与え、
皆で一緒に日本という国をつくってもらうのです」
「題して『世界日本化計画』です。どうでしょうか?」
「むぅ……帝のお考えは立派でありますが、私は反対です」
宇垣外務長官が、他国を植民地として支配せず、
同じ国家として扱うのであれば膨大な国家予算が必要になると説明し、
大戦下の中でそのような余裕がないことを説明する。
「……同じく。私も反対です。
理想より、まずは現実です」
山下陸軍長官も日本が沢山の植民地を持つ大国に劣っていることを
以前のお説教が聞いたのか珍しく素直に認め。
今は大国に勝利するために植民地を増やし国力を増大させること優先すべきと述べる。
「……分かりました。二人とも反対のようですね。
賛成を得られると思ったのに……
やはり私の考えは現実の見えていない理想論なのでしょうか……」
「でも…
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