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東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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には壁抜け、物質透過の能力があるようなので、それで絶命するとは限らないが。

「――ッ!?」

 ひとりを残して霊脈の底へと突き落とされてしまった。

「捕虜はひとりいれば充分。数ばかり多くても監視がめんどうなだけだからね」
「ひゅ〜♪ 容赦ねえなぁ、ダンディー天馬」
「さぁて、それじゃあこいつから色々と聞きだすとするか。おい、まずはツラを拝ませな。俺はグラサン野郎を見てるとムカついてくるんだ」

 腰から下を霊気の渦に捕らえられ、身動きのできないMIBからサングラスをもぎ取った。

「んなッ! 石橋首相!?」

 それはTVや新聞などで見知った顔であった。先日の厭戦番組にも出演して、意味不明の日本語を披露していた元首相の顔がそこにあったのだ。史上最低の内閣と呼ばれ、アメリカからはLoopyとまで酷評され、その奇妙奇天烈頓珍漢な言動から宇宙人と揶揄されている石橋友夫だ。

「こ、こいつ。マジで宇宙人だったのか!」
「……そういえば、この人。いつだったか環境問題についてのイベントで『地球から見れば、人間がいなくなるのが一番優しい』とか発言してたよね」
「ふんっ、そうして人類に取って代わって地球をかすめ盗ろうって魂胆か、この侵略者の手先め。おい、おまえたちがなにをたくらんでいるのか、一から十まですべて吐いてもらうぞ」
「…………」

 厳しい尋問をはじめようとした、その時。絶好調だったセクシー冬児とダンディー天馬の身に変調が生じた――。

「「き、きもち悪うゥゥゥ……」」

 真っ青になった冬児と天馬は地面に突っ伏して口から大量のゲボ。すなわちゲロを盛大に吐瀉する。
 心地の良い酔いが終焉を迎え、チートタイムが終わったのだ。
 ディオニソスは去り、アセトアルデヒドがやって来た。
 地獄のはじまりだ。

「ウボァーッ! お、オエーッ! ゲェーッ! お、おおうおぉぅえっ! うえっ! ヴぉおおごおおおぇえええッ! ぼふぉきゃおぇッ! うげぇェェェッッッ!! ごばぁーっ、ゲホッゲホッ……ごばぁ……おぅぇっおえぇ……ごばぁ……げほごほ……ブォッエェェエェェ……ベチャチャチャ……」

 霊相の異変に気づいた春虎と夏目が駆けつけると、そこには瀕死のマーライオンと化した級友の姿があった。

「うあぁぁぁッ!? エンガチョー!」

 冬児と天馬。悪酔い&重度の二日酔いにより再起不能(リタイア)
 なおエンガチョという言葉の「エン」は穢や縁を表し、「チョ」は擬音語のチョンが省略されたもので、「穢をチョン切る」という意味の込められた不浄のものを防ぐための言葉、ないし仕草であり、日本に古くからある民俗風習だ。これもまた一種の呪といえよう。





「阿!」

 鈴鹿の手が転法輪印から施無畏印を
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