暁 〜小説投稿サイト〜
東京レイヴンズ 今昔夜話
エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
[6/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
けながらうろたえている一人にあたりをつけ、蹴り飛ばす。
 右往左往している群れの中に、さらに一人が巻き込まれ、ビリヤードみたいにぶつかり合って、何人かはたがいに自滅していく。
 そのまま逃げだすセクシー冬児を、体勢をととのえたチュパカブラたちが追いかけてくる。
 ふたたび囲まれてしまう。が、またもしゃがみこむセクシー冬児。
 押し合いへし合うチュパカブラたちの囲みを同じ要領で突破し、同じような人間ビリヤード戦法で相手の数を減らしていく。
 これをなんどかくり返すうちに立って動けるチュパカブラたちの姿がどんどん少なくなっていく。
 三〇が二〇になり二〇が一五になり、やがていなくなるという寸法だ。

「どら」

 気合とともに通りに置いてあった自転車をぶん投げた。フリスビーのようにくるくると飛んでいき、四体ほどまとめて倒す。
 そして動けるチュパカブラはいなくなった。

「自転車ってのは投げるのに都合の良い形をしてるよなぁ」

 圧倒的な数を誇る組織的な暴力に対処するため、ストリートで培ったセクシー冬児のケンカ殺法だ。
 輪になって向かってくる集団でもばらして逃げていくと追いかけてきたところで一人ずつになるので危なくない。手に触る物があればそれを投げてぶつける。
 道場とちがい街中には様々な物が散乱している。逃げては投げ、投げては逃げる。
 とにかく相手を輪から直線の状態にしてしまうのが肝だ。
 チュパカブラたちは決して弱くはなかった。獣並の反射神経に鋭い牙と爪を持ち合わせている。だが今回それを存分に発揮することができなかった。数の多さがかえって仇となったのだ、集団戦闘の訓練を受けていない者が群れて戦えばこうなる。むしろ一対一の戦闘を三〇回繰り返していたほうがまだ勝機があったかもしれない。
 実戦においては必ずしも数の多さが優位に働くわけではない。

「さぁ、おまえらの兵隊はのしてやったぜ。まだなにかあるのかい」

 光線銃を構えるMIBたち。だがあきらかに動揺していて、銃を持つ手は震え、射線がさだまらない。
 周章狼狽して撃った六条の光線はセクシー冬児を大きくはずれ、地面や壁に焦げ跡をつけた。
 だがそのうちのひとつがダンディー天馬にむかう。
 あわてることなく身体をおどらせて避けると、そのまま足踏みをして奇妙なステップを踏んだ。

「僕に喧嘩を売るとは、いい度胸だね」

 禹歩だ。だが術の効果は天馬自身ではなくMIBたちに現れた。彼らの足元のアスファルトが煮立ったかのように泡立ち、ずぼり、と身体が地面に沈む。
 有無を言わさぬ強制転移。いずこへと飛ばされたのかは目的地を設定していなかったダンディー天馬自身にもわからない。運が悪ければいしのなかにいる≠セ。
 もっとも笹岡邸で見せたようにMIB
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ