エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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への扉を開く呪でもある。
帝式の禹歩は術者自身が霊脈、霊的空間に身を潜ませる術だが、これは集団を霊的空間へと送る超高等呪術だ。尾行していたMIBたちは冬児たちと同じ四縦五横を踏むことにより、抵抗する間もなくまんまと異界へと連れ込まれたのだ。
本来ならば三年生の授業でも教えられないこの呪術、天馬はなぜ知っていたのか、身近に練達者でもいて、その者にでも教授されていたのであろうか……。
「おまえさんらに人間の言葉が理解できると仮定したうえで問うが、善良な市民をつけまわすのはなんのためだ。寄付や募金ならこちらがしてもらいたいくらいだぜ」
後ろを振り向き、尾行者たちにこわい笑みを浮かべるセクシー冬児。
「…………」
後をつけていた六人ほどの黒服、MIBが無言で懐に手を入れる。
鈴鹿の言っていた光線銃とやらを取り出すのかと身構えるが、出てきたのは銃ではなかった。
チューペット(駄菓子屋でよく売ってるポキッと折れてチューチュー吸うアイス)を思わせる、細長いカプセル状の物を出すと、それを地面に投げる。
そこから白い煙とともになにかがむくりと起き上がる。
緑色の皮膚に獣毛をはやし、鋭い鉤爪と牙。頭頂部から背中にかけてトゲ状の突起がある。
背丈は大人ほどで、尻尾こそ見当たらないが直立したトカゲ人間とでも形容すべき怪生物。その数三〇体。
無人の街中に奇怪な生物がひしめきあふれる。
「GI、GIGIGI、KISYAAAAッ!」
ホオズキのように赤く光る大きな目を瞠り、セクシー冬児とダンディー天馬にむけ威嚇の声を張り上げた。
「おー、カプセル怪獣だか栽培マンみたいだな。それがおまえらの式神≠チてか」
「……チュパカブラ。おもに南米で目撃される吸血性の未確認動物に特徴が一致するね。宇宙人の作った生物や、宇宙人そのものという説があるけど、どうやら目の前のこいつらに関しては宇宙人の作った生物みたいだ」
「ここは俺に活躍させてくれ。さっきからダンディー天馬ばかり活躍しているからな」
ダンディー天馬を制してひしめく異形の群れに歩を進めるセクシー冬児。
「GISYAAAッ!」
半円の形に包囲を狭めたチュパカブラの一体が咆哮とともに鉤爪を振るう。
とっさにしゃがみこむセクシー冬児。
大勢が至近距離でひしめきあう状態で目標にしゃがまれると、蹴飛ばすこともできない。いきおいあまった何人かのチュパカブラ同士がたがいにぶつかり、おたがい非難の叫びをあげている。
セクシー冬児はしゃがんだまま近くの一人の股間を打って、下がらせたすき間から出て、後ろにまわりこむ。
輪の中心にいたはずセクシーの冬児の姿を見失い、さらにぶつかり合うチュパカブラたち。
囲みを突破したセクシー冬児はこちらに背を向
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