エイリアンVS陰陽師 宇宙人がなんぼのもんじゃい! 4
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羅竜王剣!」
かつてシェイバを退けたときの比ではない。
摂氏二〇〇〇度を超える炎の柱と化した木刀阿修羅が円盤を飲み込み、消滅させた。
水浴びをして完全に元気を取り戻した川姫たちの口から次々と感謝の言葉が投げかけられる。
「ありがとうございます、神仙様」
「いやいやいや」
「神仙様がたは命の恩人、なんとお礼を申し上げればよいか言葉もありません」
「いやいやいやいや」
「あいにくとお礼の品になるような物はごさいませんので、せめてそちらの殿方の子を産ませてもらいます」
「いやいやい――て、ウボァーっ!? なんじゃそりゃあっ!!」
古代から近代まで、子孫を残すことは現代人の想像以上に重要なことだった。そのため男性に対するお礼として子どもを作ってあげる。という考えが昔にはあった。(ほんとかよ?)
現代人の倫理観では理解できないが、川姫たちは大真面目である。
「なんじゃその設定! い、いや。いいから。そういうのいいから」
「わたしども川姫が子を生すには里長のゆるしが必要ですが、窮地を助けてくれた大恩に報いるため五〇人総出で孕んでもよいとのゆるしが……」
「マジいいって!」
夏目と鈴鹿からの視線が痛い。
鈴鹿からは冷笑まじりの試すような視線が、夏目はこわいほど無表情でこちらを凝視してくる。
「お礼とかいいから。……それよりもおまえらの中に二〇〇年くらい前に人間界に行って子どもを産んだ人はいないか?」
いた。笹岡真唯の先祖である川姫はいまも健在であった。
地上に残してきた子どものことを心配している彼女に子孫が元気で暮らしていることを教えたところ、とても安堵した。
じゅうぶんに時も経ったことだし、隠れ里に引きこもるのをやめてふたたび人界と接触してはという意見が出始めた矢先のエイリアン侵略であったが、そのエイリアンを退治したのも外界からのまれ人であった。
これをひとつの契機に彼女たちは里を解放するという。
江戸の昔とは異なり現代は人と妖が共存する時代である。ただ、それはあくまで陰陽庁の、人間主導の共存共栄であり、どのような結果になるのかはまたべつのお話――。
春虎への夜伽とはべつに歓迎の宴をと引き止める川姫たちであったが、春虎は辞退し冬児や天馬。京子ら仲間たちのまつ地上へと帰還した。
大友や塾長に川姫たちのことを説明し、良いように取り計らってもらうつもりである。大友や塾長に川姫たちのことを説明し、良いように取り計らってもらうつもりだ。ひょっとしたら人外の友が増えることになるかも知れない――。
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