第二十幕:ふたつの虹の大切な夢
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☆ ☆ ☆
時崎「なるほど・・・いい思い出を、ありがとう!」
心桜「よっ! ・・・っと!」
天美さんは、座っていたガードレールから「ぴょんっ!」と跳び離れて、こちらへ振り返った。さっき高月さんが振り返った姿と重なる。天美さんも高月さんに負けない魅力があると思った。そのまま天美さんは再び歩き出したので、俺も歩みを合わせる。
時崎「・・・七夏ちゃんに、本当の虹を見せてあげたいと思っているんだけど・・・」
心桜「つっちゃーの瞳、写真では、ちゃんと写らないみたいだからね」
時崎「それは、別にいいんだよ・・・」
心桜「え!?」
時崎「俺は、七夏ちゃんに本当の虹の色を分かってもらえれば・・・それが、七夏ちゃんの瞳・・・ふたつの虹であってもいいというだけの事で・・・」
心桜「お兄さん・・・」
時崎「七夏ちゃんの『ふたつの虹』は十分に魅力的だと分かっている。その事を七夏ちゃんにも伝えられて分かってもらえれば・・・と思ってる」
心桜「・・・つっちゃーと似てるところがあるよねっ!」
時崎「そ、そうかな?」
心桜「うんうん! どおりでつっちゃーが・・・おっと!」
時崎「え!?」
心桜「お兄さん、ありがと!」
家の表札を見ると「天美」とあった。天美さんは、家のポストの中を確認して、広告を手に取っていた。
時崎「ああ。こっちこそ、色々とありがとう!」
心桜「いえいえ。お礼に、いい事教えてあげるよ!」
時崎「え!? いい事!?」
心桜「っそ! つっちゃーの好きな食べ物!」
時崎「ココアとか!?」
心桜「おっ! お兄さん! つっちゃーがココア好きなのは知ってたんだ!」
時崎「ま、まあ・・・」
心桜「でも、それ飲み物だよ!」
時崎「あ、そう言われれば・・・」
心桜「つっちゃーさ・・・」
そう言うと、天美さんは、こちらへ駆け寄ってきて・・・
心桜「ブルーベリーのタルトに目が無いよっ!」
・・・そう、囁いた。天美さんと二人だけなのに、何故、囁かれたのかは分からないが、それだけ天美さんが七夏ちゃんの事を大切に想っているという事なのだろう。
時崎「なるほど・・・それは知らなかったよ! ありがとう!」
心桜「それじゃ! お兄さん! またねっ!」
時崎「ああ」
俺は、天美さんから得た、七夏ちゃんの「ブルーベリーのタルトに目が無い」が、どのくらいなのかという事を確かめたくなったので、早速商店街へ探しにゆく事にした。少しお腹も減ったので、喫茶店で軽く食事を頂く・・・。そう言えば七夏ちゃんが前に話していた事を思い出す・・・確かにココアはメニューに無いようだ・・・何故なのだろう? デザートにブルーベリーのパフェは、あるみたいだけど、これは注文して持って帰ることは出来ないな・・・。
軽く食事を済ませ、七夏
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