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翠碧色の虹
第二十幕:ふたつの虹の大切な夢
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「なるほど!」

俺は天美さんについてゆき、歩道橋を上る。

時崎「これは、確かに!」
心桜「ね♪」

その場所は、駅全体を見渡せ、背後には深い緑の山と、海がキラキラと輝いていた。

心桜「ここは夕日も綺麗だし、撮り鉄の人もよく居るよ! 今日は居ないみたいだけど」
時崎「分かる気がする!」
心桜「っね!」」
時崎「天美さん!」
心桜「ん?」
時崎「ここで、一枚いいかな?」
心桜「うん、いいよ!」

俺は、この景色と天美さんを撮影した。

時崎「ありがとう、ありがとう。天美さん!」
心桜「ん? なんで二回言ったの?」
時崎「一回目は、この場所へご案内のお礼。二回目は撮影のお礼!」
心桜「あははっ! なかなか面白いね! それっ!」
時崎「そ、そう?」
心桜「ありがとうは、何回言われても嬉しいからねっ!」

何枚か、この風景も撮影しておく・・・そんな俺を天美さんは黙って待ってくれていた。

時崎「天美さん、ありがとう!」
心桜「撮影はもういいの?」
時崎「ああ、天美さんのおかげで良い写真が撮れたよ!」
心桜「そっか! んじゃ、あたしは帰るから!」
時崎「送ってゆくよ」
心桜「え!? いいよ別にっ!」
時崎「このまま、風水に帰るだけだから・・・」
心桜「お兄さん、暇なの?」
時崎「ま、旅行中は・・・念の為」
心桜「あははっ!」
時崎「さっきも話したけど、七夏ちゃんのアルバム作りに、天美さんや高月さんの写真も沢山撮りたいからね」
心桜「そういう事なら、ま、よしとしますかっ!」
時崎「ありがとう、天美さん」
心桜「いえいえ!」

俺は、天美さんを家まで送る・・・というよりも、単に付いて行くだけのような気がするけど・・・まあいいか。そう言えば、天美さんと二人きりになるのはこれが初めてだ。

心桜「そう言えば、お兄さん!」
時崎「え!?」
心桜「つっちゃーから聞いたんだけど、風水で出会ったんじゃないんだってね!」
時崎「あ、ああ。バス停で・・・正確には出逢ったというよりも、気付いたら隣に七夏ちゃんが座って居た・・・かな?」
心桜「お兄さん、バス停で寝てたんだってね?」
時崎「そう・・・なるね」
心桜「つっちゃーさ、お兄さんの寝顔『ちょっと可愛いな☆』って話してたよ!」
時崎「なっ!」
心桜「あははっ!」
時崎「でも、あの時の俺、初対面の七夏ちゃんに失礼な事をしたからなぁ・・・」
心桜「え!? 失礼な事って?」
時崎「そもそも、俺がこの街に来た本来の目的は『ブロッケンの虹』を撮影する事だったんだよ」
心桜「ブロッケンの虹・・・確かに、この街ではちょっと有名かな・・・」

天美さんは、ブロッケンの虹の事を知っているようだ。

時崎「そんな訳で、俺は七夏ちゃん
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