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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第644話】
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翊(りゅう・こうよく)】を見る。


「如何ですかな、甲龍の量産型モデル一号機である紫煙は!」

「ふん……所詮は量産型だ。 我が魂である【煌龍(ファンロン)】には勝てぬな!」


 甲龍のプロトタイプをカスタマイズした中国国家代表のIS煌龍――甲龍の様な肩に衝撃砲を浮かばせるのではなく拳にその機構を取り入れ格闘戦に特化した機体。

 部分展開した腕部に握られるのは偃月刀――かの商売の神、古の武将である関羽の武器を模した武装を開発者の首筋に当てた。


「り、量産型とはいえ甲龍の後継機です。 その性能は――」

「ふん、我には煌龍がある。 量産型等我が属国である台湾にくれてやればいい」

「な!? そ、そんな勝手は――」

「勝手だと? 我を誰だと思っているのだ? 国家代表劉孔翊だ!」


 偃月刀を豪快に振り回すその姿は女傑と称されても大半は納得するだろう――だからといってロールアウト間近の量産型とはいえ台湾に紫煙を譲渡するのはとも思う開発者。


「ふん、我が乗るよりも適任者はいるだろう? ……まだ年端もいかない小娘だが、適性は高い上に実力も他の候補生の上を行く。 必要なら飛び級で進学させればいい」

「……わ、わかりました……」


 映し出された無数の中国代表候補生――その中の一人がピックアップされる。

 その名前は――【凰乱音】。

 変革の兆しを見せる世界――限られたコアを専用機として開発する各国、フランスでは新たにコスモスが――それとは別に新たな機体達が産まれようとしていた。

 シェア第三位のデュノア社の影に隠れたスカーレット社――スカーレットの名の如く、紅く彩られたその機体は美しさを全面に現していた。


「こ、この機体なら我がスカーレット社もIS開発のシェア拡大を狙える筈だ!」

「へぇ、やっと完成したんだ。 父さん?」

「あぁ……」


 感慨深いのか涙するスカーレット社社長――それに付き従う赤髪の青年は髪を掻き分けた。


「でもどうするんだい? この機体は誰を乗せることを想定しているんだい?」

「ふっ……無論我が愛しの娘に決まってるだろう、馬鹿者が!」

「成る程ね。 ……とりあえず僕が触ってもいいかい? もしかしたら僕に反応するかもしれないし」

「馬鹿者。 そう簡単に男の操縦者が生まれたらデュノア社の様な狡い真似をする輩が生まれんわい!」


 青年は紅く彩られた機体に触れる――勿論反応はない、残念に思う反面当たり前かとも納得している自分も居た。


「父さん、この機体の名前は決まっているのかい?」

「無論だ。 この機体名は――【スカーレット・シュヴァリエ】!!」

 少し離れたブルターニュ地
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