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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第644話】
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たシルバーの耳に知らされる事になる。


「シルバー様、衛星の一基が宇宙でエネルギーを感知しました」

「エネルギーの感知? どういう事かしら?」

「く、詳しいことは今調査中です」

「……不明瞭な情報は混乱を招くわよ? まあ良いわ、エネルギー波長のデータは貰えるかしら?」

「は、はい! では、失礼します!」


 イルミナーティ構成員の一人が敬礼してその場を去る――書面に描かれたエネルギー波長は見たことも無いものだった。


「……どういう事かしら。 ……何か、宇宙で起きてるのかしら……? ……ともかく、兄さんに報告しないと」


 直ぐ様チャネル通信を繋げたシルバー――場所は京都、ウィステリア・ミストがシルバーから報告を受ける少し前の出来事。

 匿名で京都の被害総額の一部を寄付したウィステリアは傷付いた町並みを歩いていた。


「……これだけで済んだのが不幸中の幸いなのだろうか。 ……いや、それでも亡くなった者もいる。 ……これから起こる未来の為の対価だと思えば――否、やはりそれでも浮かばれないだろうな……」


 ウィステリアは瞼を閉じる――鮮明に浮かぶ映像は瓦礫で溢れ返った町並み、異臭放つ死体の数々、とどまることのない戦禍――誰がこうなることを予想しただろうか?

 第三次世界大戦――各国群雄割拠犇めき、世界各地領土の奪い合いと共に行われたのはオリジナルコアを要するIS。

 小さく頭を振ったウィステリア――その時だった、シルバーからチャネル通信が届いたのは。


『どうした、シルバー?』

『兄さ――ボス、先程報告に上がったのですがどうやら宇宙で謎のエネルギー波長を感知したと』

『エネルギー波長? データを直ぐに私に送ってもらえるだろうか?』

『ええ』


 そこから少ししてからウィステリアの投影端末にデータが届く。

 投影ディスプレイを展開し、キーボードを叩くと映し出された映像には異常なエネルギー波長を示すグラフが――。


「……何だこの波長は? 一瞬とはいえ俺が知る限りこんな異常なエネルギー反応は無かった筈だ。 ……因果率の変化か? もしそうだとするなら……いや、まだ断定は出来ないな」


 ウィステリアはそう呟きながら投影ディスプレイを消す――宇宙で何かが起きている、過る一抹の不安は後に現実になろうとはこの時のウィステリア・ミストには予想は出来なかった。

 彼が体験した世界とは違う世界線を描き始めたこの世界――世界は変革の時を迎えていたのかもしれない。

 中国、IS開発機関では甲龍の量産型モデルの一機がロールアウトを迎えようとしていた。

 名前は【甲龍・紫煙】――開発者は満足げに頷きながら国家代表である【劉孔
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