ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
4話 救出劇と再会
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、彼らが探し求めているものではない。今回のクエストで求められている“リトルネペントの胚珠”というのは、今彼らの目の前に出現しているネペントの頭に大きな花が付いたものから出現率100パーセントでとれるものである。一般的に“花付き”と呼ばれているそれは、出現率が1パーセント以下というなかなかにレアなものなのだ。だが、ノーマルタイプのネペントと倒していれば、“花付き”の出現率はアップしていく。
しかし、注意せねばならないのは、“花付き”と同様の確率でポップする“実付き”と呼ばれるネペントである。そのネペントの頭には大きな赤い実がついており、うっかり縦切りの片手剣単発ソードスキルであるバーチカルなどでその身を割ってしまうと、巨大な破裂音とともに割れ、嫌なにおいをまき散らすのである。その煙にはなんのデバフもないが、その匂いにつられ、大量のネペントが集まってくるという、非常に危険な特性を持つ。
今彼らの前にいるネペントには実がついていないことをよく確認してから、リアとツカサは武器を抜いた。ネペントの攻撃パターンは、触手による切り払いと突き、そして腐蝕液噴射である。この腐蝕液は、掛かると武装や武器の耐久値を減らすだけでなく、粘り気が出て数秒間動きを鈍くしてしまうという、なかなかに厄介なものである。もちろん、それがかかれば、の話であるが。
「シュウウウウ!」
という音を口から吐き出しながら、触手を2人に向かって叩き込んでくる。その攻撃をかわすと、ネペントのサイドに分かれ、弱点である上部と下部の接続部分にリアは単発ソードスキル、スラント、ツカサは同じく単発スキルソニック・チャージをたたき込んだ。そもそもレベル5の彼らとレベル3のネペントとのレベルの差、そして2人で同時にソードスキルで弱点を撃たれたことにより、それだけでネペントはその体を幾千のポリゴンとして散らせた。
完璧なコンビネーションで、2人は次々とネペントを屠っていった。およそ15分で20体ほどと、この効率で狩れば、数時間でこのあたりのネペントは枯渇する勢いだ。
しかし、その時だった。リアとツカサの耳に、かすかだが、確かな叫び声が聞き取れた。それはモンスターのものではない。人だ。
リアとツカサは顔を見合わせ、その瞬間言葉を交わすことなく二人はブーツを地面へめり込ませ、声が下方向へと疾駆した。走っているうちに、すぐに異変に気が付いた。まったくネペントがポップしないのだ。あの叫び声と、今のこの森の様子を合わせると…
「誰かが実を壊した…?」
ツカサがつぶやいた。リアは無言でそれを肯定する。と、その時、まだ目視はできないが、索敵スキルをとっている2人の視界にピュアレッドのカーソルが浮かぶ。それはネペントがいる証であったが、それは一つや二つでない。視界を埋め
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