遺体のない葬儀編-3-
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本屋しゃんってまだやってるの?」
ランファが聞いてみると
「ええまだまだ現役よ……見た目はあれだけど」
自覚はあったのか。
「でも……本がない」
楽しみにして来たお目当ての本がなくしょんぼりとした口調で言うシレーナにレオは
「うちは万引き防止の為に店に本をおかないようにしているのよ」
と、さも当然のように答えた。
そうゆう手もありなのか? いや本を置いていない本屋なんて本屋といえるのだろうか。それは本屋として機能していると果たしていえるのだろうか。
色々疑問点はあったが
「奥に着てちょうだい。この本屋の店主を紹介するわ」
二息歩行で行くのかとちょっと期待もしたのだが、残念ながら四足歩行でレオは店の奥へと入って行った。
仕方ないか猫だし。
諦めて足元を歩くレオを追いかけ歩いていると
「…………」
一応レジと思われる机の腕で頬杖をつき真剣な表情で読書を楽しんでいる一人の青年の姿が見えてきた。
「あの人は?」
しゃがみ込み足元にいるレオに聞いてみる。
「あの子はワタシの可愛い息子のリオン。この店の店主でもあるわね、一応」
一応なんだ……とツッコミを入れたくなるがそこは我慢。
リオンと呼ばれた青年。
背はルシアよりもずっと高く、金色のやや長め前髪が目に入って痛くないのかと思うくらいには長い、黒真珠のような瞳で肌の色は白くまるで病人のように生気を感じない。
「お客さんが来たわよ」
ひょいと軽々と飛び上がり、本を読んでいたリオン手の甲にじゃれつく……が、読書家というのは誰もかれも読んでいる時は本の世界に浸り全然外の世界が見えていないようだ。
「なんか朝のシレーナさんみたい」
ぼそっとランファが呟いた。
そう? と首を傾げるシレーナにそうだよ! とルシアも一緒になって頷いた。
「本読んでる時のシレーナさんみたいだねっ」
「そうだね。読書家はみんなあんな感じなのかな」
皆に聞こえないようにひそひそと二人だけで話している。
「……もうこの子ったら、ごめんなさいね不愛想で」
「いえ」
本当にリオンの母親のようにレオは頭を下げる。
うちの息子がすみませんっ、的な感じで何度も頭を下げている。
「……本……欲しい」
すすっとリオンに近づき要点を言う。
本という単語に反応したのかやっとリオンがルシア達を顔を動かさず一瞬だけ見た。
「ジャンルは?」
視線は読んでいた本へと戻された。
欲しい本は特にない。
本屋に来て見てから決めようと思っていたから。好きなジャンルとかも特にないから。
黙り込んでいると
「チッ」
中々帰ってこない返事に苛立ち募らせ、リオンは皆に聞こえるようにわ
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