狩人と獲物
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向けて
「しょっぴくわ!」
____
「できない? どうしてです?」
本署で裕子が木村に詰め寄る。
「コスプレ好きの女の撮影を認めてないんでしょ?」
「認めてはいませんが撮影してます」
「どうして分かるの?」
「裏を取っています」
宮迫が裏を取っているのだ。
「裏と言っても証言だけでしょ? 物証がないわ」
「それはそうですが、絶対に撮影してます」
「どうして言い切れるの?」
「勘です!」
「勘?」
「直感です!」
木村は裕子の目をキツく見ながら
「あなたの勘で任意聴取はできないわ、下がりなさい!」
裕子は髪の毛を掻きむしりながら自分の席に戻る。
宮迫が戻ってくる。
「クーを調べましたがこれと言った物はでませんでした」
「そうなの、お疲れさん」
裕子がねぎらいの言葉をかける。
丸山も戻って来た。
「鈴木を洗いましたが過去に売春の仲人をしてたようです、知人のアパートに女を住まわせて管理してたようです、今は足を洗っています」
「テッペイ良くやった!」
裕子が丸山を褒める。
「任意で引っぱるわ! 係長、良いですよね?」
「ちょっと待って、売春は他の課の仕事よ、私たちは10年前の未解決事件を捜査するのよ」
「えっ? 係長……これは別件ですが、そこから連続殺人につなげます」
別件で呼んで本命を引き出すのは良くあることなのだ。
「駄目よ、許可しません、物証もないのに引っぱれないわ」
「別件から本命の物証を引き出します!」
「駄目と言ったら駄目、これは命令よ!」
木村は踵を返して出ていった。
「係長!」
裕子は納得が行かない。
(係長……どうして……)
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