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シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
-ムラクモを探す
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術に特化し闘いのプロフェッショナル壊楽族。
 武術にも魔術にも通じているドラゴンネレイド。

 きっかけは些細なものでした――ある酒場で壊楽族の王とドラゴンネレイドの王、戦ったらどちらが強いのかと賭け事が始まったのです。
 他種族たちのただの娯楽の筈でした。なのにいつしか気づけばそれは王と民を巻き込む大戦争へと発展してゆきそして……」

ここで一度ムラクモは言葉を区切った。顔を俯せ唾を飲みこみ

「無益に流れた多くの血――それを憂いた王達は今から百年前、和解の為の会を開きました。そこで」

また言葉を区切る。

「あの言いづらい事でしたら無理しなくても……」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。ルシアさまもいずれは知る事とになるでしょうから」

ムラクモは話の続きを語り始めた。ルシアの顔をしっかりと見つめて。

「そこで――ドラゴンネレイドの王は壊楽族の王の首を刎ねたのです」

なんでっと声を出すルシアを無視してムラクモは苦しそうに語り続ける。

「騙し討ちにあい王を奪われ、侵略してきたドラゴンネレイドの兵達に国を追われた壊楽族達は逃げるように南へ下りそこへ新たな新天地、壊楽族だけの王国を建国しました」
「……まさか」
「そうです。その王国こそが此処、海の国なんです」

なにも言葉が出て来なかった。なにか言いたいと悶々とした気持ちはあるのにそれが言葉して口から出て来なかった。

侵略して来たドラゴンネレイドたちは北の大地に仮面の国を建国した。
逃げた壊楽族は南の大陸に自分達だけの楽園海の国を建国した。

だからなのかドラゴンネレイドであるムラクモが軽蔑の目で見られ陰口を囁かれているのは。
ただドラゴンネレイドとして生まれて来たばかりに、こんな酷い仕打ちを受けなければならないのか。

全てを語り終えたムラクモはまた静かに満月を眺めている。その瞳にはキラリと輝く雫があった。

「ごめんなさい。ルシアさまにまで嫌な思いをさせてしまって」

ルシアの方を向かずに独り言のように呟くムラクモにルシアも俯せた顔を上げないまま

「そんなことないです」

まるで自分に言い聞かせるかのように呟いた。

二人の間に流れる重たい沈黙。そして蔑すむ瞳と耳障りな声。
せっかくの月夜が台無しだ。

「どうか私の事はお気にせずお休みください。明日はきっと大忙しでしょうから」

ね、と、ルシアの方を見つめ優しく微笑む。
リムジンの中から街を見るだけ大興奮だったランファ。おそらく明日辺りにでも街に冒険出かけようなどと言い出しそうな勢いだった事を心配して言ってくれているのだろう。

大きな子供みたいなランファと一緒にいるにはそれ相応の体力が必要となる。確かに今日はもう寝た方がいいのかもしれ
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