-ムラクモを探す
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うとムラクモは顔を上げ空に輝く月を眺め
「今日は本当に月が綺麗ですね」
と言われルシアも顔を上げ月を眺める。
「わ……本当だ」
今宵の月は満月。
最も月が美しく見えると言える満月の晩。
二人で仲良く美しくすぎる月に見惚れていると
「ルシアさまは知っていますか?」
何に対しての問いなのか分からなかったルシアはきょとんとした表情で首を傾げる。
それを答えだと受け取ったムラクモは
「月には闇を浄化する不思議な力あると言われていて、特に満月にはより特別な力があると言われているそうですよ?」
「そうなんですか」
へぇーと頷く。
旅を始めると村で暮らしていたらしない知識ばかりで驚きの連続だ。
「確かに月を見ていると心がポカポカするようで温かい気持ちになりますね」
「そうですね。心が洗われて綺麗になっているんでしょうね」
他愛のない話をして微笑み合うルシアとムラクモ。
傍からこの二人を見ればお似合いの恋人同士にしか見えないだろう。本当に今の二人は楽しそうなのだ。
それを妨げるのは
「…………」
無言でムラクモを見つめる視線。宿の従業員たちの心の無い軽蔑の視線だ。
はあと重たいため息を零すムラクモにルシアはどうしたんですか、と訊ねてみると
「ルシアさまは知らないのですね」
寂しげな瞳で、諦めたような口調でムラクモは答えた。
「世界最強戦争を知っていますか?」
分からない。聞いた事の無い言葉にルシアは困った表情で首を傾げる事しか出来なかった。
それを見てムラクモはもう一度大きなため息をついた後
「知らないことは恥ではありませんよ。これから知っていけば良いんですから」
と、世界最強戦争について優しく丁寧に教えてくれた。
「まず世界最強戦争とは、私達ドラゴンネレイドと壊楽族の間で起きた戦争のことです」
「えっ!? ムラクモさんは僕と同じヒュムノスじゃないんですか!?」
戦争どうのこうのよりもまずはムラクモがヒュムノスではなかったことに驚愕した。
ヒュムノスは一般的な種族で最も多く存在している。
ドラゴンネレイドという種族は戦争屋などと呼ばれ血の気の多い危険な人達だと幼い頃大人に教えてもらった記憶がある。
まさかムラクモはそんな野蛮な種族だったとは……。
「……ドラゴンネレイドの事は知っているのですね」
ぷくっと頬を膨らませて不貞腐るムラクモ。ちょっと可愛いと一瞬思い……もしたがそれは決して口に出せない。
「ちなみに壊楽族と言うのは何かを破壊することで快楽を得るといわれる変人種族です」
「へ……変人?」
戦争をやっていたほどだ。やはりあまり壊楽族のことを良く思ってはいないようだ。
「武
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