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【凍結】剣製の魔法少女戦記 外伝・ツルギのVividな物語
009話『クラウスの子孫の郷愁』
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しかしてあちらも私の事を分かっているのでしょうか……?
でも、それだけで分かってしまった。
シホさんの佇まいはなるほど、英雄と言われるだけあって今の私では敵わないのかもしれないものだと……。
それでもここまで来てしまったのですからもう後戻りはできません。
そんな時にノーヴェさんが私にこう言いました。
「質問するならバイザーを外して名前を名乗れよ」
なるほど……確かに礼儀がなっていませんでしたね。
シホさんの前だとこの少しの胸騒ぎも合わせて少しだけ冷静に欠けていたみたいです。
それなので私は言われた通りバイザーを外しました。
そして名乗ります。
「失礼しました。私はカイザーアーツ正統ハイディ・E・S・イングヴァルド……『覇王』と名乗らせていただいています」
「そう……やっぱり子孫なのね」
シホさんはそう小さく呟きましたが『やっぱり』ですか。
彼女も私について調べていたようですね。
「はい……そうです。少し伺わせていただいてもよろしいでしょうか……?」
「なんだ? シホさんになにか言いたい事があるのか?」
「いいのよノーヴェ。後は私に任せて……」
「わかりました」
ノーヴェさんより一歩シホさんは前に出てきて、
「私も……あなたとお話をして見たかったのよ。クラウスの子孫なのだとしたら私とも無関係じゃないから」
「それは……やはりあなたも過去からの記憶を受け継いでるのですか? そう……あの聖なる錬金術師の……」
「そこまで私の事を分かっているのね。さすがね……でも少しだけ勘違いかしら?」
「それはどういった……?」
「それより……あなたは格闘家に勝負を何度も挑んでいるのでしょう? 事情を聞かせてもらってもいいかしら? なぜそんな事をしているのかを……」
シホさんはそう言ってなお優しい笑みを絶やさないでいました。
それが私の心になにかしらの訴えをしてきているようで胸が少しだけやはり締め付けられます。
だけどその前に、
「あなたは……聖王殿下と冥府の炎王の知り合いだというのは本当ですか……?」
「ええ。もうメディアには顔は出てしまっているからオリヴィエ陛下とイクスヴェリアとも会った事があるわ」
「そうですか……私は、私には成すべき事があります。クラウスの想いを継いで列強の王たちをすべて倒してベルカの天地に覇を成す事……」
「それがあなたの目的なの……?」
「はい、そうです」
「お前は何を考えてんだ? もうベルカっていう国自体無くなってんだぞ!? かつての王たちの子孫達もそれぞれ生き残ってそれぞれに暮らしがあるんだ! そしてお前もそうなんだろう!?」
ノーヴェさんがそう叫んできます。
それは分かっています……それでも私にはクラウスの意思を継ぐ義務があるんです。
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