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とある3年4組の卑怯者
60 蹴球(サッカー)
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方に転がってしまった。
「はあ、すみません・・・」
「しっかりしてくれよぉ!」
「俺取ってくるよ」
 杉山がそう言って1組の練習する場所に向かった。
「ワリい、そのボールとってくんねえか?」
「いいよ!」
 答えたのは本郷だった。本郷がボールを蹴り返す。ボールは宙に上がり、杉山の胸に正確に飛んできた。杉山がボールを胸トラップした。
「す、すげえ・・・」
 杉山は本郷のキックの正確さに愕然とした。
「なんてキックコントロールだ・・・」
 杉山のみならず、見ていた4組全員も驚いていた。
「すごいな、あの本郷君がシュートしたら、僕は絶対止められないな・・・」
 藤木が弱音を吐いた。
「藤木君!今から弱気になるなよ!練習するのみだ!!」
 山根が熱くなって言った。
「山根君・・・。うん、そうだね!」
 練習が再開された。藤木の番が来た。ナベちゃんが藤木にボールを蹴って渡す。藤木は受け止めようとして足で止めたが、弾いてしまった。藤木は慌てて後ろに下がってボールを胸に当てて足で抑えて止めた。そして次の渡す相手、ブー太郎にボールをキックで渡した。しかし、わずかに逸れてしまい、ブー太郎は何とか受け取った。
「藤木、ちゃんと蹴ろブー!」
「ご、ごめん・・・。はあ〜」
 藤木は溜め息をついた。パスの練習は続いた。藤木は今度は何とか大きな失敗はしなかった。
「よし、パス練習はそこまでにして、紅白戦をやろう!」
 ケン太が皆に呼び掛けた。
「紅白戦ってどうわけるブー?」
「よし、こっちで決めよう!」
 ケン太は大野、杉山とともにチームの分け方を相談した。そして割り振りが決まった。

 紅組
 FW(フォワード)
 ケン太、杉山、三沢
 MF(ミッドフィルダー)
 長山、とくぞう、たかし、関口
 DF(ディフェンダー)
 永沢、山田、ブー太郎
 GK(ゴールキーパー)
 小杉

 白組
 FW(フォワード)
 大野、中島、内藤
 MF(ミッドフィルダー)
 丸尾、花輪、ナベちゃん、ひらば
 DF(ディフェンダー)
 山根、若林、たかし、はまじ
 GK(ゴールキーパー)
 藤木

 なお、本来ゴールキーパーのはまじは人数の関係でディフェンダーに回った。紅白戦が開始された。
お互いがボールを奪い合う。紅組の杉山がボールを奪取した。ケンタにパスする。ケン太はミッドフィルダーの丸尾とひらばをあっという間に突破し、ゴールに近づいた。山根とはまじが徹底的に杉山をマークし、ボールを奪おうとするが、ケンタにパスされる。ケンタがボールを見事に受け取り、シュートを放つ。藤木ははっと思い、ボールを受け止めようとする。しかし、ボールは藤木の手に掠りもせず、ゴールインした。
「ああ・・・」
 藤
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