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ヘタリア大帝国
22部分:TURN2 連合艦隊司令長官その十
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「禿げるぞ」 
 笑いながらだ。東郷は秋山のその額、長髪に隠れているが実はかなり危険そうなその額を見てだ。そのうえで言ったのだった。
「御前は特に危ないな。親戚にそういう人はいないか?」
「禿げていません!」
 そしてだ。ムキになって反論する秋山だった。
「私の額はです。そもそもです」
「生まれつきか?」
「そうです。遺伝です」
「わかった。それはだ」
「それはといいますと」
「大変だな」
 何故かだ。こう言う東郷だった。そしてだ。
 このことについてだ。秋山は首を傾げさせて東郷に問い返した。
「何故大変なのですか?」
「だから今遺伝だと言ったな」
「はい、ですから御聞きしているのですが」
「遺伝で禿げるとなると。育毛剤も中々効かないぞ」
「ですから違います!」
「遺伝と言ったじゃないか今」
「生まれた頃からこの額です!」
 そうだというのだ。秋山はかなりムキになって主張する。
「全く。何を言うのかと思えば」
「ははは、怒るとさらに悪いぞ」
「誰が怒らせているのですか。とにかくです」
 話にラチが明かないと見てだ。秋山は話を強引に変えてきた。その話は。
「艦隊と提督のことですが」
「ああ、それだな」
「そのことについてまず考えていきましょう」
「そうだな。それじゃあな」
 こうしてだった。ようやく海軍の話になるのだった。そして東郷はかつてない艦隊を築き上げることになるのだった。誰もが想像しなかった様な。


TURN2   完


                         2012・2・10

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