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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
遭遇
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 残された千歌は、小さくなっていく夜絵の背中に向かって、笑顔で手を振り続けていた。





 夏休み最後の夜、こうして高海千歌は椎名夜絵と出会ったのだった。





***



 翌日。夏休みが終わり今日からまた学校が始まるというこの日、高海千歌は遅刻ギリギリのタイミングで教室に滑り込んだ。昨夜、夜絵と出会ったあの出来事を家に帰ったあとも思い出したりして、なかなか寝付くことができなかったのだ。

 教室へと入り自分の座席に座る千歌もとに、クラスメイトで同じスクールアイドルをしている渡辺曜と桜内梨子がやって来た。


「千歌ちゃん遅ーい!」

「ごめん曜ちゃん、寝坊しちゃって……」

「だと思ったよ」

「二学期の始業式から遅刻ギリギリなんて、千歌ちゃんらしいけどね」

「ちょっと梨子ちゃん、私らしいってどういう意味?」

「さあ?」

「もうー!」


 いつもこのような談笑から始まる浦の星女学院での高校生活。夏休み前と何一つ変わらない日常の風景がそこにはあった。


「そうだ! 昨日の夜なんだけどね、砂浜で――」

「はーいみんな静かに、席に着いてねー」

「あ、先生来た、席に戻らないと」

「ごめんね千歌ちゃん、また後で聞かせて」

「うん、わかったー」


 昨夜、砂浜で夜絵と出会った出来事を曜と梨子に話そうとした矢先に、担任の先生が教室に入って来た。曜と梨子や他の立っていた生徒がそれぞれ席に戻り、教室が静かになる。今から先生の話があるだろうと、千歌は教壇に立つ先生に視線を向けた。



「はーい皆さん、今日から二学期が始まりますが、ここで転校生を紹介します」



「転校生? また?」

「そうだよね、梨子ちゃんも四月に転校してきたばかりだし」


 転校生という言葉を聞き、千歌は隣の席に座る曜とそんな会話をする。さっきまで千歌達と一緒にいた梨子も、四月にここ浦の星女学院に転校してきたのだ。

 今年に入って二人目の転校生。一体どんな人がやって来るのだろうと、千歌は入口に視線を向けた。



 コツ、コツと甲高いローファーの音が教室中に響き渡る。



 真っ直ぐに教壇へと進んでいく転校生の姿を見て、千歌の瞳はキラキラと輝いていた。



 やがて足音が聞こえなくなり、先生の隣に立つ転校生。




「今日からこの学校に編入することになった――」




 艶やかな輝きを保つブロンドの長髪。


 セーラー服越しでも分かるほどの抜群のスタイル。


 あどけなさも垣間見える端正な顔立ち。




「東京の音ノ木坂学院から転校してきました」



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