第十話 聖夜
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ったお弁当にそれぞれ箸を伸ばす。
「おいしいね」
「そうね」
*
時は経って1週間後。
放課後のアイドル研究同好会の部室。練習前でそれぞれが着替えている中、いち早く練習着を纏った輝穂が、1枚の用紙を長机に強く叩きつきるように置いた。
いったい何事か。そんな目で絶賛着替え中の飛鳥と瑞姫。着替えの途中であるがそのまま机の前まで来て、輝穂が置いた用紙を見た。
「「クリスマスパーティー?」」
飛鳥と瑞姫は口を揃えて言う。その用紙のタイトルはそう書かれていた。
「生徒会で企画して、クリスマスの日に学校でする事になったんだよ!」
えっへん、と胸を張って輝穂は自慢気に言う。
「へぇ、楽しいイベントになりそうね」
「すごいね、テル」
「えへへ、褒めて褒めて」
そうねだる輝穂の頭を、飛鳥と瑞姫は優しく、まるで子供を褒めるように撫でる。
「どれどれ、イベント概要は……文科系の部活の発表。その後に立食パーティー。なかなか本格的だね」
「参加費は無料って書いてあるわね」
「そうなの! なんとか予算内に収まったから」
輝穂はそう言った直後、そうだ、と何やら思い出して言葉を続けた。
「私たちLyraもパーティーで発表するから、新曲つくろうね!」
「「えぇ!?」」
あまりに唐突すぎる発表に、飛鳥と瑞姫は声を揃えて驚いた。
「曲と衣装はクリスマスっぽい感じがいいかな!」
輝穂は2人に対して更に要求を重ねる。
「まあ、いいけどね」
「テルが頑張って企画したイベントだから、成功させたいね」
*
「えみちゃーん!」
翌朝。えみを見つけた輝穂は、教室内に響き渡る声で言いながらえみに抱きついた。
「ちょっ、輝穂!? やめっ、暑苦しい、離れなさい!」
突然抱きつかれたことに慌てふためきながら、えみは密着する輝穂を引き剥がす。
「はぁ。それで、何か用?」
「なんで分かったの!? えみちゃんエスパー!?」
「それ位分かるわよ。それで?」
改めてえみが問いただすと、輝穂を少し考える素振りをみせた。
「ここじゃ話しにくいから、生徒会室行かない?」
「分かったわ」
輝穂とえみは生徒会室に場所を移した。
2人きりの空間。輝穂は昨日飛鳥と瑞姫にも見せた『クリスマスパーティー』の用紙をえみに見せた。
「生徒会でクリスマスパーティーを企画したの。これにえみちゃんにも出演して欲しいんだ」
単刀直入に輝穂は言う。現役の人気アイドルであるえみにこの話を持ちかけるにあたって、人の多い教室を避けて生徒会室に来たのだ。
え
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