第四話 場所
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れぞれ自分の席に着いた。
輝穂は窓際の席で、飛鳥は輝穂のすぐ隣、瑞姫は廊下側の席で輝穂と飛鳥とは席が離れている。
1時間目の授業の準備をしていると、教室の扉が勢いよく開かれた。
「みんな、おはよう!」
入ってきた生徒を見ると、クラスメイトたちは先ほどの輝穂たちのときのようにその生徒を取り囲んでキャーキャーと騒ぎ始めた。
「あれ? えみちゃん今日は学校来たんだ」
自分の席で授業の準備をしていた輝穂は、隣の飛鳥に話しかける。
「そうだね。しばらく来てなかったけど、今日はお仕事休みなのかも」
輝穂と飛鳥が話題に挙げた人物は七夕えみ。芸能事務所に所属している現役の人気アイドル。
輝穂たちが学校でしているものとは違い、えみの場合はプロのアイドルなのだ。
「ねえ飛鳥。えみちゃんの声、どこかで聞いたことない?」
「あのねテル。えみちゃんはクラスメイトだし、テレビにも出てるんだから聞いたことあるのは当たり前だよ」
「そうだよね。でもなんか、う〜ん」
「ほら先生来たよ」
担任の先生が入ってきて騒ぎ立てていたクラスメイトたちはそれぞれ席に着き、担任は出席をとっていく。
その間、輝穂はずっと頭を捻らせていた。
放課後になって輝穂たちLyraの3人は、練習をするために学校の屋上へと向かった。しかし、外は天気予報の通り雨が降っていた。
「あぁー、雨降ってる」
あいにくの天気に、輝穂はがっくり肩を落とした。
「予報通りの土砂降りね」
「さすがに、この雨だと屋上は使えないね」
外は土砂降りで、屋上では練習できそうにない。すると、飛鳥がある提案をした。
「じゃあ部室に行って今後のこと決めよっか。クラスのみんなに次のライブしてってお願いされちゃったし」
「そうね、行きましょ」
「え、部室? あるの?」
踵を返して歩き出そうとする飛鳥と瑞姫だったが、輝穂の一言で思わず立ち止まった。
「……テル。3人集まったら同好会の申請ができるはずなんだけど……」
「まさか、輝穂……」
「……わ、忘れてた」
沈黙が3人の間に流れる。飛鳥と瑞姫は当然のように同好会ができていると思っていた。飛鳥は呆れたように大きくため息をついた。
「はぁ……。じゃあまずは同好会申請書を生徒会に提出だね」
その後、輝穂の鞄の奥深くに眠っていた同好会申請書を書き上げ、生徒会に提出するとあっけなく受理された。
彼女たちの同好会の名前は『アイドル研究同好会』
初め輝穂はアイドル同好会にしようと提案したが飛鳥と瑞姫に学校の部活っぽくないと反対され、その結果アイドル研究同好会になった。
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