第四話 場所
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ったい、なにが起こったの?」
ふと、背後に人影を感じて3人は倒れこんだ姿勢のまま振りかえった。
するとそこには、サングラスをかけてマスクで口元を隠し、コートに身を包んだ人物がいた。
「あんたたち!」
聞こえたのは女性の声。どうやらコートの人物は女性だった。
状況がのみ込めない3人は戸惑いを浮かべたままコートの女性を見上げた。
するとコートの女性が衝撃的な一言を放った。
「あんたたち、解散しなさい!!」
そう吐き捨てるように言って、コートの女性は足早に去って行った。
朝練を終えて登校したLyraの3人は、校門を抜けて歩みを進めていた。
「まったく、今朝はひどい目に遭ったわ」
先ほどの出来事を思い出して、瑞姫は少しきつい口調で愚痴をこぼした。
「ごめんね瑞姫……」
「飛鳥は悪くないでしょ? 悪いのはどう考えてもあの女よ」
「解散しなさい、か」
輝穂から出たコートの女性に言われた言葉に、3人は押し黙ってしまう。
そんな空気を紛らわそうと輝穂が何気ない話題を振った。
「そういえば、天気予報だと午後から雨だったよね。2人は傘持ってきた?」
「うん、鞄に折り畳み傘入れてるの」
「私もよ。予報だと午後からかなり降るらしいわね」
梅雨の近づいたこの時期になると、天気予報は連日の雨模様だった。
「そうなんだよねー。今日は屋上で練習しようと思ってたのに!」
「放課後も晴れてるといいわね」
そんな会話をしながら3人は教室にたどり着いた。
「みんな、おっはよー!」
輝穂が元気よく挨拶しながら教室に入ると、それまで会話をしていたクラスメイトたちが次々と輝穂たちのもとにやって来て、あっという間に3人を取り囲んだ。
「昨日ライブしたんでしょ? 一花たちに聞いたよ!」
「とっても素敵なライブだったらしいじゃない!」
「本当は見に行きたかったんだよね! でも部活があったから行けなくて」
「ねえねえ、次はいつライブやるの!?」
「次のライブ、絶対見に行くからね!」
「応援してるわよ、Lyra!」
クラスメイトたちは次々と思いのまま3人に言葉をかける。
目の前のそんな状況に輝穂たちは戸惑いを浮かべながらも、胸の中がスッと晴れていくような感覚でいた。
今朝、コートの女性に解散しろと言われたけれど、こんなに応援してくれる人たちがいる。
その事実を確認すると、解散なんて考えるまでもなかった。そして、昨日ライブをしてよかったと改めて思う。
「みんなありがとう! 次のライブはまだ予定はないけど、決まったらすぐ伝えるね!」
そうクラスメイトたちに伝えて、輝穂たちはそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ