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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
邯鄲乃夢 4
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高が四メートル近くある妖獣はネルグイたちをにらみ、雄叫びをあげた。
「アッオーンッ! オレサマ、オマエ、マ〜ルカジリ」
間近にいたひとりの兵士を頭から丸呑みし、くちゅくちゅと咀嚼する。
「?????ッ!」
生きたまま喰われる恐怖に悲鳴があがる。金縛りにあい、同僚を助けることのできないどころか次は自分が食われる番かと脂汗をにじませる兵らの前で、丸呑みされた男がちゅぽんと吐き出された。
生きている。
傷ひとつ負ってはいないが、一糸まとわぬ全裸のすがたとなっていた。
「そいつは
饕餮
(
とうてつ
)
といって、悪食でなんでも食べてしまう妖怪だ」
そう言う秋芳の周囲では濃密な瘴気が凝固し、フェーズ2からフェーズ3へと移行し続ける。
また次の動的霊災――二体目の饕餮が生まれようとしていた。
「動植物はもちろん木でも石でも鉄でもなんでも食べる。とうぜん人肉も嗜むが、いまは俺が制御しているから喰われはしないから安心しろ。ただし身につけている物は根こそぎ喰われて素寒貧になってもらおう」
二体目、三体目、四体目――。数体の饕餮を生成。まるで簡易式でも作成するように動的霊災を兵らにけしかける。
「ひぇ〜」「あはん」「いやん」
丸呑みされてはすっ裸で吐き出され、丸呑みされてはすっ裸で吐き出され、丸呑みされてはすっ裸で吐き出され――。
たちまち駐屯地は屈強な男たちの裸地獄と化した。唾液にテカつく裸体が艶めかしいのやら艶めかしくないのやら……。
「ううむ、なんというありがたみのない衣装破壊(ドレス・ブレイク)。近年の萌えアニメやラノベによくあるサービスシーンだが、男でやられても少しもうれしくないな。もっともたとえ美少女でやられてもとってつけたようなあざといエロいシーンには食傷しているが……。ああいう作り手の『ほらほら、おまえらこういうのが好きなんだろ。とりあえず乳出しときゃ円盤売れるんだろ?』的な姿勢は気に食わん。そんなデカい釣り餌で釣られるのは養殖ものの萌え豚だけで、俺のようなちがいのわかる数寄者には通用しないのだ」
手前勝手なことを言いながら兵士たちの武装を強制解除していく一方、ふたたび餓鬼の群れを召喚して残った食料品もたいらげていく。
補給なしで戦争に勝つことは不可能だ。
戦争の本道は敵より多数の兵力を準備することと、それを維持できる兵站を整えることがもっとも重要で、あちらからこちらへ、そこからここへと、計画通りに物資を流通させること、それこそが軍事力というものだ。
秋芳は元軍の士気をくじくとともに物資を根こそぎ奪い無力化するつもりだ。
「食料や武器を運ぶのはわかるが、やけに木材が多いな。船でも造るつもりか……。あ、おい。酒は少し残しておけよ、あとで味見するから――むっ!?
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