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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第8話 「懐かしき重み」
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てしまう。
 知っている者は知っていると思うが、俺は最初から下の名前で呼ぶタイプではない。相手が下の名前で呼ぶことを望むならばそうするが、基本的には苗字で呼ぶ。すっかり精神も大人になっているだけにその傾向が強い。
 故に子供の素直さに思うところがあったのだ。まあ……笑みを浮かべている彼女に対して色々と沸き上がる想いもあったのだが。
 とはいえ、ここで手を払い除ける理由もない。
 なので俺ははやての手を握り返しながら返事をした。手を握る際に一瞬彼女の手が動いた気がするが、気にすることではないだろう。この頃はまだ初心な面が表に出やすいのだから。

「じゃあ俺は本を探しに行くから。取りにくい本は素直に人に取ってもらいないなよ」
「さすがに何度も転んだら周りの人にも迷惑やしな。そのときはそうする。ええ本が見つかることを祈っとるで。私がおすすめなのを紹介してもええけど」
「それはまた今度にするよ。どんな本があるのか一通り見ときたいし」

 それを最後に俺はこの場から歩き出す。
 はやてからすればもう少し話したかったかもしれないが、何も起きなければしばらくは図書館の中に居るのだ。また顔を合わせるかもしれない。なら一度に話す必要もないだろう。
 先のことまで考えれば、これから何度顔を合わせることになるか分からないのだから。



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