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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜 Another
第8話 「懐かしき重み」
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「ぐへっ……!? ……あれ? 痛みはあるけど思ってたほどやあらへん」
「あのさ……そういう感想言えるなら先に礼を言うべきだと思うんだけど?」

 普通ならば俺を下敷きにしている状態なのだからさっさと退けと言いたいところだ。だが相手は車イスに乗っている。そんな相手にさっさと退けと言えない。
 ただ……この頃のはやての体重は何となく知っているが、それでも重いと思うのは俺の中の感覚がまだ大人のままだからなのか、それともこっちのはやての体重に問題があるのだろうか。まあそんなことよりも考えるべきなことがあるんだけど。
 何故ならはやてはこっちを見た状態で何度も瞬きしている。
 つまりそれは現状を必死に理解しようとしているということだ。俺の知るはやてと根っこの部分が変わってないなら意外と乙女な面というか、少女チックな部分もあるのでこのあと狼狽えそうである。

「まさか男の子を押し倒す日が来るとは……私も大人になったものやな」

 前言撤回。このはやては俺の知っているはやてとは少し違うようだ。
 俺の知るはやてでも初対面の頃は割とまともな反応をしていた。だが今目の前にいるはやては平然とこっちを顔を覗き込んだまま今の言葉を発している。
 もしかすると状況が理解出来てなくて独り言を言っただけかもしれないが、少なくともこれだけは言えるだろう。この世界のはやても関わると面倒臭そうな一面がありそうだと。

「車イスに乗ってたから退けとは言わないけど……少なくとも退こうとする意志は見せるべきじゃないの? もしくは謝罪するとか」
「それもそうや。助けてくれてありがとう、そしてごめんなさい。ただ……今の流れやとそっちこそ大丈夫? の一言くらいあってもええんやない?」
「君がまともな反応してたならそう言ってたよ……ちょっと失礼」
「え、あっ、ちょっ!?」

 はやての身体に片腕を回した俺は上半身ともう片方の腕を使って上体を起こす。
 何やらはやてが恥ずかしそうな声を上げたが、そこは我慢してもらいたい。こっちとしても起き上がらないことには何もできないのだから。

「あ、あんた……急に何するねん!? 女の子の身体に気安く触れたらダメって教わっとるやろ!」
「先に一言断りは入れただろ。まあ触れたことは謝るけど……ごめん」

 素直に謝るとはやては顔を赤くしたままごにょごにょと何か言い始めた。表情や雰囲気から察するに恥ずかしそうではあるが、こちらへの怒りは収まったように思える。
 さっきは少し違うとも思ったが、そこまで変わらないかもな。
 むしろ……俺の知るはやてよりもまともかもしれない。まあ八神はやてという人間は自分のペースでなら何でもできるけど、予想外のことになると打たれ弱いイメージがあるのでそれだけのことかもしれないが。
 そん
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