進路
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「ルビィと一緒か、いいんじゃないか。それで、それってどこの高校?」
必死に勉強すれば同じ高校に受かって、またこれまでと同じような楽しい時間を過ごせると思っていた。そんな気持ちで俺はマルに尋ねたのだ。
そんな俺の希望は、もとより叶わないということも知らずに。
「浦の星女学院ずら」
「……マジ?」
「マジずら」
浦の星女学院。女学院という文字が表すように、女子高である。つまり、俺はどれだけ頑張ってもマルと同じ高校に行くことはできない。受験することすら許されない。
「そうか……じゃあ、高校は別々になるな」
「そうだね。まあハルくんの場合、高校に行けるかどうか怪しいところずら」
「なっ!? 言いやがったな!」
「事実ずら」
「ひどっ!? 俺の幼馴染ひどっ!?」
そんなやりとりをして、クスクスと笑う俺のひどい幼馴染。幼稚園から中学校までずっと一緒だったけど、高校はどうやら別々になりそうだ。
そのことに少し寂しい思いはあるけれど、マルがいなくてもどうってことはない。高校で新しい友達をつくって、楽しく過ごせればそれでいい。
「さて、宿題の続きやるか!」
「そうだね。ハルくん、がんばるずら!」
「おう、がんばるずらー!」
「ずらー!」
マルの口癖を借りて決意を新たにする。拳を突き上げて気持ちを高めると、マルも俺の真似をして拳を高く突き上げた。
俺の幼馴染、国木田花丸。幼稚園から中学校までずっと一緒だったけど、高校は別々になってしまう。
違う高校に通うことになっても、たまにはこうしてマルと遊びたい。今ここにはいないがルビィも一緒に、休日は三人で集まって今までみたいな楽しい時間を過ごしたい。
そんな高校生活を送るためにも、今は目の前の宿題を終わらせる。それが終われば受験勉強をしなくては。勉強は辛いけれど、今が頑張りどころなのだ。
頑張ってたどり着いたその先に、明るい未来が待っていると信じて。
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